全国総県長会議

 人類史に輝く大偉業を共に

 喜び舞え! 勝利の劇を


【名誉会長のメッセージ】

 一、寒いなか、大変にご苦労さまです!
 全国総県長会議は、創価学会の心臓であり、広宣流布の推進力である。
 秋谷会長を中心に、皆が百戦錬磨の常勝不敗の大将軍として、「師子奮迅の力」で、このーカ月も、明るく、断固と、勝利へ、勝利へ、雄渾の名指揮をお願いしたい。

成功する指導者の第一条件は?

 一、指導者として成功するために、第一に必要なものは、一体、何か?
 それは「勇気」である。
 これは、あの大歴史家トインビー博士の結論であった。インド独立の父マハトマ・ガンジーフランクリン・ルーズベルト米大統領チャーチル英首相、ケニアケニヤッタ初代大統領等々、歴史の人物を鋭く分析しながらの洞察である。
 指導者の「勇気」こそが、人々の心から心へと燃え広がり、時代の命運を変えゆく勝利の原動力となる。
 ゆえに、トインビー博士は強調されていた。
 “指導者よ、「勇気」と「自信」を持て! そして、民衆を「勇気」と「自信」に奮い立たせるリーダーシップを発揮せよ! ”――と。
 法華経には「勇猛精進」と説かれる。
 日寛上人は「勇敢にして、信力を励み竭すを勇猛と名づくるなり」(「依義判文抄」)と釈されている。
 今こそ、大信力を出して、歴史に残る勝ち戦をお願いしたい。
 この千載一遇というべぎ、広宣流布の上げ潮の時に、各方面、各県の指導者として戦うことが、どれほど名誉であり、光栄であり、不思議であるか。
 仏意仏勅の組織で、自らの役職に託された使命を断じて果たしゆかんと、真剣に祈り、勇敢に行動する皆さま方の生命には、おのずから仏に等しい「力」と「智慧」が湧現してくる。
 仏法で説く「境智行位」という法門のうえからも、皆さま方に偉大な生命の「位」が連動していくことは、絶対に間違いない。
 まず自分自身が、きょうもまた、燃え上がる信心で、生き生きと「人間革命」に挑戦し、境涯を大きく開きゆくことだ。そして、広宣流布のわが全軍に、勇気凛々たる前進と拡大の息吹をみなぎらせていっていただきたい。

「無気力な精神への刺激剤が宗教」

 一、なお、この席をお借りして、東北の宮城に続く岩手の“トインビー展”の大成功を、心から祝福したい。厳寒の季節に、本当にご苦労さまでした。また、東京・足立での成功を祈ります。
 〈「『21世紀への対話』――トインビー・池田大作展」は、東北青年部が中心となって開催。今月27日(金)から足立文化講堂で開幕する〉
 ここで、今回の“トインビー展”を記念して、東北青年平和会議の友が研鑽し、届けてくれた貴重な博士の箴言(しんげん)集をもとに、いくつか言葉を紹介させていただきたい。
 博士は述べている。
 「私たちの生きがいは創造的であることです。創造的とは、私たちが住んでいるこの宇宙を変えようと努力することです」(『未来を生きる』毎日新聞社
 “すべての生命が幸福に輝く”世界を創造する――私たちが生きがいとする「広宣流布」の意義は、ここにある。
 さらに、トインビー博士は語る。
 「人間の精神は常に無気力に陥りやすいものです。眠っているその潜在力を再び目ざめさせるには、絶え間ない努力が要求されます。そうした努力をするためには、刺激剤が必要です。そして、この精神的刺激を与えることが、あらゆる宗教の目的の一つなのです」(滝沢荘一訳)
 「人間の精神」を目覚めさせゆく正しき宗教が、いかに重要であるか。なかんずく、大乗仏法の真髄を実践しゆく創価学会に対する博士の信頼は絶大であった。
 さらに1967年、来日された博士は、「読売新聞」紙上で、こう論じておられる。
 「精神的に成長しなければならない一番必要なものは政治の問題だと思う。私たちが人間に対してもっている道徳はそんなに低くはない。しかし、政治になると、それが標準以下になることが多い。そういう点からいってインドのマハトマ・ガンジーの態度は私たちの手本になるのではないか。インドを独立させるという大仕事を武力、暴力を使わないで、しかも相手をにくまないでなしとげることを教えた。この点が大事なところだ。つまり宗教的精神の政治への導入である」
 だからこそ博士は、私たちの行動に注目し、心からの期待を寄せてくださったのである。

 ◆勇気を! あらゆる人を味方に

 《中国人民の母・勝g穎超先生》
   私は何も恐れません! 
   苦難を恐れて革命はできない
   革命で苦難にあうのは当然のことなのです!

民衆を見くだす魔性と戦え!

 一、この2月4日は、中国の「人民の母」勝g穎超先生(周恩来総理夫人)の100周年の誕生日である。
 中国の人々の勝g穎超先生を慕う声は、あまりにも深く大きい。
 私たちにとっても、先生との友誼(ゆうぎ)は、永遠に忘れ得ぬ歴史である。
 「正義が一歩高まれば、魔はその十倍になる」
 ここに、勝g穎超先生の鋭い人間観があった。たしかに、その通りである。
 ゆえに、正義は戦い続けなければならない。障魔を完膚なきまでに打ち倒さなければならない。

 一、あるとき、勝g穎超先生は、悪の「四人組」との戦いを振り返られたことがある。
 四人組の中心者である江青が、どれほど異常な人格であったか。
 そばで世話をする服務員に対して、どなったり、暴力を振るったりするのは、日常茶飯事だった。
 江青に話しかけるときは、頭を彼女の目の高さよりも上げてはいけなかった。だから、腰をかがめるか、ひざまずいて話さなければいけなかった――。
 権力の魔性に取りつかれると、人間を人間として見られなくなる。人々を自らの欲望の手段に使って、皆を不幸に陥れていく。これほど恐ろしいことはない。
 仏法では、その本質を、第六天の魔王であり、他化自在天の生命であると鋭く喝破している。
 周総理は、人民のために、最後まで四人組との戦いに命を削った。
 その分身である?穎超先生は、周総理が亡くなった時、この四人組との闘争に決着をつけることを深く決意された。悲しみに浸るのではなく、周総理の仇討ちに、毅然として立ち上がられたのである。
 勝g穎超先生は、こう語っておられる。
 「私は覚悟を決めました。四人組が、私の住んでいるところに押し入り、私を捕らえ、痛めつけ、迫害し、家宅捜索して家を差し押さえ、あらゆるものを盗んでいくだろう。しかし、私は、何をされようとも、断じて怯まず、沈着に応戦しようと決心したのです」
 そして、こう、きっぱりと言われた。
 「何があっても、私は恐れません。苦難を恐れては革命は成し得ない。革命を成すうえで苦難に遭うことは、当然のことなのです」
 なんと偉大なる人民の母の魂の叫びであろうか。
 この恐れなき母の勇気が、周総理の逝去から9ヵ月後に、四人組を打倒し、祖国を救う原動力となっていったのである。

団結こそ勝利!

 一、このほど、?穎超先生の生誕100周年を記念して、『人民の母 勝g穎超』という本が出版された。〈白帝社刊〉
 これは、創価大学の高橋強教授、創価女子短期大学の水上弘子講師はじめ、「周恩来 ?穎超研究会」の皆さんが執筆・編集された力作である。
 そのなかで、このような勝g穎超先生の言葉が紹介されている。
 「私たち全員が歩調をそろえてこそ勝利がつかめるものです。いままでの勝利はすべて歩調が合ったときに得られたのです」
 団結こそ力である。団結こそ勝利である。

大きな包容力を小さな心配りを

 一、日蓮大聖人は、門下の柱の一人であった四条金吾に対して、「同志を大切に」という根本の指導者論を、繰り返し強調しておられる。
 たとえば、こう仰せである。
 「夜廻りをしている同志の人たちは、一人も頼りがいがあるとはいえないが、法華経のために屋敷を取られた人々であるから、常に親しくしていきなさい。夜の用心のためにもなり、また殿の守りにもなるであろう。わが味方の人々のことは、少々の過ちがあっても、見ず聞かずのふりをしていきなさい」(御書1169頁、通解=以下同)
 さらに、重ねて仰せである。
 「日蓮法華経を信ずる人々に対しては、以前に、その人々に、どのようなことがあったとしても、心にかけてあげなさい」(同1172頁)
 また、こうも教えられている。
 「弟たちに対しては、いつもよく面倒を見ていきなさい。いつも湯銭や草履の代金などに気を配ってあげなさい。もしものことがあったならば、敵は許すまい。自分のために命を失おうとする者であると心得て、欠点や過ちがあっても、少々は見ても知らないようにしていきなさい」(同1176頁)
 このように“妙法の指導者は、わが同志のことを、大きく見守り、大きく包んで、大きく導いていきなさい”“皆が心一つに戦えるよう、細かいところまで一心を配り、心を砕いていきなさい”と強調しておられる。
 学会員は皆、大切な「仏子」である。「地涌の菩薩」であり、使命深き「如来の使い」である。
 一人も残らず、広宣流布の方向へ、幸福と勝利の方向へ、成長と発展の方向へと、力強く糾合(きゅうごう)し、聡明に導いていく。その深き祈りと包容力ある振る舞いが、リーダーの使命であり、正義である。
 もちろん、そのうえで、大切な学会の組織に迷惑をかけ、異体同心の和合を崩す存在には、厳正に対処すべきことは言うまでもない。

 一、御書には、「魔および魔民がいたとしても、皆、仏法を護る」(同1242頁)と法華経の文が引かれている。
 魔や魔民でさえも、仏法を守護する諸天善神の働きに変えていける。これが、妙法の絶大なる功力である。ゆえに、行きづまりはないのである。
妙法の指導者は、怯まず、恐れなく、あらゆる人に会い、語っていくことだ。
 そして大胆に、賢明に、一切を広宣流布の味方にしていくことである。

 一、大聖人は仰せである。

 「すでに大謗法が国にある。大正法は必ず広まるであろう。わが門下たちよ、何を嘆かれることがあろうか。迦葉尊者でなくとも、舞を舞いたまえ。舎利弗でなくとも、立って踊りたまえ。上行菩薩は、大地から踊りながら出現されたではないか」(同1300頁)
 我らには、恐れるものなど何もない。
 今こそ、地涌の菩薩の底力を、そしてまた、仏の真髄の力を出しきりながら、全国一丸となって、異体同心の痛快なる大前進を開始しよう! 愉快なる大勝利の劇をつづりゆこう!
 そして、人類史上に輝きわたる広宣流布の大偉業を堂々と成し遂げようではないか!

富士の如くに!

 終わりに、信頼する皆さま方に句を贈りたい。

   猛吹雪
     厳と勝ちたり
         富士の山

   富士の山
     君もかくあれ
         勝利あれ

 お体を大切に! 風邪をひかれませんように!
わが大切な、敬愛する全同志に、くれぐれもよろしくお伝えください!