海外代表協議会 上



勇気で勝て 団結で進め

妙法は人類の大良薬

ナイチンゲール
「他者への奉仕は最も幸福な仕事」


健康 長寿の守り手=白樺会に感謝
 一、南は先駆の誉れの九州・沖縄から、北は寒風に胸張る北海道・東北にい
たるまで、日本列島を包みゆく、わが尊き友の広宣流布の健闘を、私は、心の
底から、ねぎらいたい。
 さらにまた、世界の平和と繁栄を祈って邁進される185カ国・地域の「栄光
の同志」の活躍を心から讃えたい。
 きょうは、北欧のスウェーデンからも、懐かしい友が駆けつけてくださった。
 牧口先生は、著書『創価教育学体系』で、スウェーデンの女性教育者エレン・
ケイに光を当てている。
 彼女の有名な言葉に、「勇気を欠くこと、これは喜びを欠くことになる」(小
野寺信・小野寺百合子訳)とある。
 その通りである。
 「勇気の行動」にこそ生命の充実がある。限りない歓喜が光る。
 御聖訓には「法華経の剣は信心のけなげ(勇)なる人こそ用る事なれ」(御書
1124ページ)と仰せである。
 「勇気ある信心」の人は無敵である。
 一、香港からも、大切な友が来ておられる。
 「中国人民の母」と慕われる傘歪鏡萓・ぢ周恩来総理夫人)と、私と妻は、何
度となく、金の出会いを重ねた。
 明年は、酸萓犬寮乎・谿ぢ周年。〈1904年生まれ〉
 酸萓犬蓮・鍵歳になられた時、こう言われた。「私たちは幸福です。生き抜
いて、戦い続けることができるのですから」
 忘れ得ぬ一言である。
 戦いがあるからこそ、幸福を感ずる。
 生きている限り、人々のため、社会のため、正義のために戦う。それ以上の
幸福はない。

◆ 一番大変な時に 一番の大功徳が
 一、日蓮大聖人は、真の平和へ、人間革命の哲学を広める言論戦について述
べ、「今に至るまで軍やむ事なし」(同502ページ)と記しておられる。
 人生は戦いである。
 仏法は勝負である。
 広宣流布の戦いがなければ、日蓮大聖人の仏法とはいえない。
 大聖人の仰せの通りに戦い続けてきたのが、仏意仏勅の創価学会である。御
書に照らし、経文に照らして、福徳は無量にして無辺である。
 なかんずく、厳しい試練にあえて挑み、広宣流布の勝利の道を断固として開
きゆく功徳は、計り知れない。
 「報恩抄」には「極楽百年の修行は穢土の一日の功徳に及ばず」(同329ペー
ジ)と仰せである。
 一番、大変な時に「勇気ある信心」を奮い起こして戦い抜いた人が、一番、
大きな功徳を積むことができる。
 これが、仏法の因果の理法である。
 一、遠く南米ペルーからも、同志が来てくださった。
 古代ペルーの英知の言葉に、「勇敢で高潔な丈夫の特徴は、逆境においてみ
せる忍耐にある」とある。
 戦いは「忍耐」である。「執念」である。粘り抜いたほうが勝つ。
 全国の偉大な友の敢闘を、私は重ねて讃嘆申し上げたい(大拍手)。

◆ 「心を一つに合わせる」から強い
 一、ご存じの通り、私は現在、ロシアの元宇宙飛行士であるセレブロフ博士
と、「宇宙」と「地球」と「人間」をめぐる対談を続けている。〈総合月刊誌
「潮」に連載中〉
 博士ご夫妻は、この1月、東京と関西の創価学園を訪問したことを大変に喜
ばれ、感銘を深くしておられた。博士は「創価学園生は、自分で自覚して、自
発的に、人生について、学問について、世界について、深く真剣に考えている。
こんな素晴らしい生徒は、世界のどこにもいません」と言われていた。
 うれしいことに、学園生への賞讃の声は、世界の識者から数多く寄せられて
いる。
 先日も、東京の創価学園を訪れた台湾・中国文化大学の張鏡湖理事長一行が、
学園の語学教育、環境教育等の充実ぶりに感嘆されていた。
 指導に当たってくださっている教員の先生方、また、お世話になっている職
員の方々、そして、使命深き英才を送り出してくださっているご父母の皆さま
方に、この席をお借りして深く感謝申し上げたい(大拍手)。
 一、セレブロフ博士夫妻は、学園生たちが校歌を歌う凛々しい姿に、とくに
感動されたという。夫妻は、こう語っておられた。「校歌の時は、空気がピー
ンと張りつめ、心が一つになっていました。心を一つにできるということは強
い。外から攻められても負けないということです」
 さすが一流の知性は、本質を鋭く見抜く。
 「心を一つに合わせること」――これに勝る力はない。
 創価学園の大発展も、教職員、父母、そして同窓生が、創立の精神のもとに
「心を一つに合わせた」からこそである。
 一、ともあれ、勝利の方程式は、第一にも、第二にも、「異体同心の団結」
である。
 これまで繰り返し拝してきた「異体同心事」に「日蓮が一類は異体同心なれ
ば人人すくなく候へども大事を成じて・一定法華経ひろまりなんと覚へ候、悪
は多けれども一善にかつ事なし、譬へば多くの火あつまれども一水にはき(消)
ゑぬ、此の一門も又かくのごとし」(御書1463ページ)と仰せの通りである。

◆ 生命は尊厳! 人道の競争へ
 一、きょうは、ボリビアの同志も、はるばるとお越しくださった。
 ボリビアの国名の由来は、「南米の解放者」ボリバル。その師匠の一人、ロ
ドリゲスは、こう訴えている。
 「無知が対立を生み出し、悪意がその対立を永続させる」
 この人類の宿命的流転を、いかにして打開していくか――創価の「人間教育」
世界市民教育」「平和教育」の挑戦も、ここにある。
 一、本年は、初代会長・牧口先生の『人生地理学』が発刊されてから、ちょ
うど100周年。
 また、第2代会長・戸田先生が牧口先生の『価値論』を発刊してから50周年
にあたる。
 私はセレブロフ博士と100年前の牧口先生の卓見を振り返りながら、これか
らの人類は「弱肉強食の対立的競争」を脱して「人道的競争」を目指していく
べきだと語り合った。
 その模範を、博士は創価の民衆運動に見いだしておられる。「人道的競争」
の時代を迎えるために、「各国の政治家、経済人たちが、SGIの運動に深く学び、
菩薩の人格を磨いていくことが求められる」と、博士は力説されていたのであ
る。
 生命の尊厳が踏みにじられた混乱の時代である。だからこそ、創価の運動と
哲学を見つめる「世界の知性」の希望は大きい。
 皆さま方の日々の活動が、どれほど深い次元で、人類史の新しい地平を開い
ていることか。その自負と誇りに胸を張っていただきたい。
 博士は、こうも論じておられる。
 「創価学会の運動は、教養ある方々が集まった、大変に大きな意義のある運
動です。それは、調和であり、共生であり、"花がいつまでも咲いていてほし
い"という美しい運動です」
 わが地域から世界へ、調和と共生の花を咲き薫らせていきたい。
 ともあれ、大聖人は、「結句は勝負を決せざらん外は此の災難止み難かるべ
し」(同998ページ)と仰せである。
 人間主義を打ち立てることだ。一人また一人と連帯を広げ、平和の方向へ、
幸福の方向へ、人間と社会を変革しなくてはならない。
 断固として、あの地にも、この地にも、正義と勝利の創価桜を、爛漫と咲か
せきってまいりたい。
 広宣流布の勝利の拡大こそが、人類の悲願である恒久平和への最も確実な道
だからである(大拍手)。
 〈さらにセレブロフ博士は、こう語っている。「池田先生ご自身、複雑で不
透明な世界にあって、善を標榜され、善の連帯を強く呼びかけてこられました。
池田先生は、人間にとって最も必要なものを問いかけておられます。その創価
の理念は、世界の基本となるべきものだと思います」〉

◆◇◇ 広宣流布に戦う人を ほめ讃えよ
◆◇ 「励まし」が前進のエネルギー

◆ 幸福になるに 決まっている!
 一、本日は、神奈川、千葉、東京をはじめとする「白樺会」(婦人部の看護者
の集い)の代表も出席してくださっている。
 日ごろから同志の健康を厳然と守ってくださっている方々である。心から御
礼を申し上げたい。いつも本当にありがとう! (大拍手)
 法華経には「此の経は則ち為れ閻浮提の人の病の良薬なり」(薬王品)と説か
れている。
 大聖人は、縁も深き千葉の天地で戦う富木尼御前に対し、この法華経の一文
末法の女性のための経文であると、明確に仰せになっておられる。
 富木尼御前は、年老いた義母のために、真心の看護、介護に当たり、その慈
愛を、大聖人から深く讃嘆されていた女性の門下である。
 彼女自身、重い病気との闘いが続いた。
 そのけなげな女性へ、御本仏は力強く、「末法の女性が法華経を修行して、
定まった寿命を転じて延ばせることは、秋に稲が実り、冬に菊の花が咲くよう
なもので、だれが驚くでしょうか」(御書985ページ、通解)――長生きして幸
福になるに決まっているのですよと最大に励ましておられるのである。
 まさしく、白樺の皆さまこそ、「全世界の人の病を治す良薬」をもって、全
女性、全民衆の「健康」「長寿」「幸福」の道を開きゆかれる菩薩であり、仏
に等しい方々である。
 仏の境涯は、「抜苦与楽」の振る舞いとなって表れていく。
 "白衣の天使"ナイチンゲールは言った。
 「いかなる分野においてもあらゆる善きことが成就されるには必ず絶え間の
ない自己犠牲がある」「その生涯は決して犠牲ではないのである。その生涯は
最も幸福な仕事に携わっているのである」(小玉香津子・田村真訳)
 これこそ皆さま方の崇高な人生の劇である。妙法に生き抜く皆さまの福運は、
永遠に不滅である。

◆ 友に尽くす人は 万人に仰がれる
 一、ナイチンゲールは、こうも語っている。
 「他者よりも優れていると思う人間は他者に仕えよ」(湯槇ます・小玉香津子・
薄井坦子・鳥海美恵子・小南吉彦訳)
 広宣流布のために戦う同志に仕えていく人こそ、最も優れた偉大な指導者で
ある。本日は、日々、広宣流布を支えておられる「礎会」(会館管理者)の代表
にも、お越しいただいた。
 また、いつもお世話になっているSGI公認通訳会議の皆さまも、本当にあり
がとう!
 一、仏には「三十二相」と言われる荘厳な相があると説かれている。
 その一つ、「無見頂相」は、仏の頭の頂を、だれも見ることができないとい
うのである。これは、仏の境涯は計り知れないほど大きいことを象徴している
といえよう。
 では、なぜ、そういう偉大な境涯を得ることができたのか。
 御書には、父母、師匠、主君に対して、頭を地につけて礼拝し、尊敬して仕
えた果報であると明かされている。〈1122ページ〉
 法のため、広宣流布のため、頭を下げて、身を粉にして、働き戦う人こそが、
生々世々、万人から仰がれゆく存在となる。
 なかんずく、広布の法城を守り、支えてくださっている管理者の方々、守る
会の方々、さらに個人会場等を提供してくださっている拠点の方々が、未来永
劫に大宮殿、大殿堂に遊戯していかれるような境涯となることは、御聖訓に照
らして、絶対に間違いない。

◆ 同志に慈愛を! 邪悪に反撃を!
 一、リーダーは、広宣流布へ戦う同志に最敬礼していくことだ。必ず、ほめ
たたえていくことだ。
 「ありがとう。本当によくやったね」
 「大変だったね。立派だったよ」
 心で思うだけでなく、口に出さなければ相手に伝わらない。ほめて、ほめて、
ほめ抜くことだ。
 「励まし」が前進のエネルギーになる。
 「慈愛の声」が皆の勇気になる。自信になり、張り合いになる。
 「声仏事を為す」(御書708ページ)である。
 友の尊き労苦を、決して当たり前と思ってはならない。励ましや感謝の声を
かけないのは傲慢であり、無慈悲である。
 御本仏であられる大聖人御自身が、一生懸命、同志を「ほめたたえる人」で
あられた。
 一人の庶民に対して、手紙を書き、伝言を託し、また会って話し、心を砕い
て激励された。
 リーダーは、しゃべって、しゃべって、しゃべり抜くことだ。
 広宣流布のために陰で頑張っている人。だれよりも苦労している人。その人
を見つけ、光をあて、讃嘆していく。
 一方、広宣流布を阻む邪悪な人間に対しては断固、反撃し、打ち破っていく。
勇気の言論闘争が、一切の勝利の源泉となる。
(下につづく)