海外代表協議会 下


朗々と題目の大音声を!
堂々と正義の言論戦を!


友情の地図を広げよう
広宣流布の労苦はすべてが「今生人界の思い出」


 一、数多くの看護者を育成したナイチンゲールは語っている。
 「生涯の終わりになっても喜びをもってふり返れるような友情を育ててくだ
さい」(湯槇ます・小玉香津子・薄井坦子・鳥海美恵子・小南吉彦訳)
 今、皆さま方が対話を重ね、仏縁を結び、友情を広げていることは、人生の
かけがえのない宝をつくっておられるのである。
 広宣流布のために動き語ったことこそが、「今生人界の思出」(御書467ペー
ジ)となる。
 どうか、すべての労苦が、自分自身の「広布と人生の地図」を大きく広げ、
勝利と栄光の歴史を深く残しゆくことを、朗らかに悠然と、確信していってい
ただきたい。

「学会の皆さんを見て元気に」
 一、私も、世界に友情を広げている。
 先日も、親友であるゴルバチョフソ連大統領ご一家と再会した(3月22日)。
 関西の滋賀、神戸、京都などでの諸行事を終えて、東京まで駆けつけてくだ
さったのである。
 ゴルバチョフソ連大統領も、亡きライサ夫人も、わが関西の同志との交流
を、心から大切にしておられた。ご夫妻は、かつて関西の友との出会いを喜び
つつ、こう語っておられた。
 「創価学会の皆さんは、素晴らしい方々でした。自分たちの運動に誇りをも
っておられました。皆さんの姿を見て、疲れも吹き飛ぶ思いでした!」
 今回の出会いは、ライサ夫人が蘇ってこられたような令嬢と令孫も、ご一緒
であった。

ライサ夫人
女性が黙っていてはダメ "信ずることを語りましょう"

対話の中へ!
 一、ライサさんは、「社会の精神性を変えようとした女性」といわれている。
 ある時、ライサさんは、鉱山労働者の集いに参加した。
 そこでは、政治の問題、生産の問題などをめぐって、激しい意見の応酬が繰
り広げられていた。
 一人の女性の労働者が、何か言いたそうにしていた。しかし、どうしても一
歩前に出られないでいた。
 その女性の様子を見守っていたライサさんは、そっと近寄り、まるで友人の
ように手をとり、一緒になって対話のなかに入っていったという。
 ――女性が黙っていてはだめ。言いたいことを、言うべきことを、自分たち
の信ずることを、どんどん言っていきましょう。そうでなければ、いつまでた
っても社会は変わらない――これが彼女の信念であった。
 ライサさんは、事実無根のデマや中傷を浴びせられた。
 しかし彼女は、決して泣き寝入りはしなかった。自分自身の信条を守り、自
分の周囲の人々の大切な人生を守るために、毅然として、真実を書きに書き、
語りに語っていったのである。

言論の自由には責任が伴う
 一、先日、私と妻は、台湾SGI(創価学会インタナショナル)の朱萬里名誉理事
長ご夫妻をはじめ、同志の皆さま方とご一緒に、台湾の名門である中国文化大
学より名誉博士の学位を拝受した(3月24日)。
 この中国文化大学の創立者である張其?博士も、言論の横暴を、深く憂慮して
おられた方である。
 張博士は、言論の「自由」には「責任」が伴わなければならないと、強く主
張された。
 すなわち、「責任を担わんとする精神(責任感)こそ、言論の自由において支
払われねばならない代価である」というのである。
 なかんずく、博士は、若き正義の活発な言論こそ、腐敗を打ち破る力である
と、青年の戦いに後事をゆだねられたのである。

責任と慈愛のリーダーたれ
 一、学会の役職もまた「責任職」である。
 幹部は「責任者」なのであり、断じて「権威者」になってはならない。
 どれだけ自分で責任を自覚できるか。自分の背中に責任を担えるか。これで
リーダーは決まる。
 「部員さんを一人残らず幸福にしてみせる」「わが地域に立派な広宣流布
基盤をつくっていくのだ」「日本一、世界一の組織にしてみせる」。この責任
感である。
 また「あの人の悩みは何か」「この人の仕事はどうか」「体の調子は」「ご
家族は」と、一人ひとりに心を砕いていく。この慈愛である。
 「一念に億劫の辛労」(御書790ページ)を尽くした祈りと行動から、相手の
心を揺さぶる言葉が生まれる。慈愛の振る舞いが現れる。
 責任の大きい人は、苦労も悩みも大きい。しかし、だからこそ人間が鍛えら
れる。名指導者へと成長できるのである。
 ともあれ、広宣流布の同志に尽くした人は、必ず同志に守られる。御本尊が
守ってくださる。そして、三世永遠の功徳の流れをつくることができるのであ
る。

ミシュレ  気取らずに人間として話しかけよ
キング博士  非暴力の反転攻勢に打って出よ

青年が先頭に!
 一、きょうは、アメリカの同志の顔も見える。
 今、光栄にも、アメリカをはじめ世界の各地で、"ガンジー・キング・イケ
ダ展"が開催されている。
 キング博士は、1960年代に、大勢の青年たちが非暴力運動に立ち上がった姿
にふれ、「人間的尊厳と自由を奪われていたすべての民が、世界中のあらゆる
大陸で行進していた」(梶原寿訳)と語り、民衆が非暴力の反転攻勢に打って出
る時代が開かれたことを告げたのであった。
 今、学会も同じである。青年が先頭である。青年が時代を切り開くのである。
広宣流布の一切を青年が担って立ち上がる時が来たのである。
 一、フランスからも、ようこそ! 
 フランスの歴史家ミシュレは、青年に、こう呼びかけた。「気取らずに行動
しなさい。人間として人間たちに話しかけなさい」(大野一道訳)
 ミシュレについては、これまで、何度かスピーチしてきた。
 ユゴーと並び称される大作家であり、「19世紀のフランス国民に最も愛され
た歴史家」といわれる。
 1798年、パリの貧しい印刷業者の家に生まれる。
 革命後の動乱の中で育ち、家業を助けながら、苦学を重ねた。
 後に、コレージュ・ド・フランス(パリの高等教育機関)の教授に就任する。
 ミシュレは、「権力者中心の歴史」ではなく、「民衆を主役とした歴史観
を確立した。 庶民の出身であることを誇りとし、民衆の権利と正義を叫び抜
いた。
 仏教についても学び、あらゆる人間の平等を宣言した釈尊について、共感を
こめて綴り残している。
 1852年に独裁権力の座についたナポレオン3世と対立。
 各地を転々として、不遇な中でも、断じて、不屈の執筆活動を続けていった。
 著作は『フランス革命史』『民衆』『女性』など多数。1874年に逝去した。
真実の人は正義の人!
 一、次にフランスの思想家ルソーの言葉を紹介したい。
 「つねに真実であれ、そのためにどんなことが起ころうとも。正義そのもの
が真実のうちにあるのだ」(今野一雄訳)
 真実に立つ人は強い。虚偽でごまかそうとする人は、どこか不安で、おびえ
ているものだ。
 真実の人は、正義の人である。「正義に恐れなし」である。
 一、「自分の側に正義があると感ずる人は無遠慮にふるまわなければならな
い。いんぎんな正義になど、なんの意味もありはしないのだ」(岩崎英二郎・関
楠生訳)
 これは、イタリアをこよなく愛した文豪ゲーテの言葉である。
 イタリアからも同志を迎えている。本当に、ご苦労さま!

追撃の手をゆるめるな
 一、「邪悪とは、断固、戦え! 一歩も退いてはならんぞ。追撃の手をゆる
めるな!」
 こう戸田先生が遺言なされたのは、45年前の3月29日のことであった。
 今、全国各地で、青年部の堂々たる正義の言論戦が光っている。
 青年部の時代である。万事、よろしく頼むと申し上げたい。
 一、ともあれ、法華経に勝る兵法はない。
 今年は、日蓮大聖人が立宗宣言をされてから満750年。
 御聖訓には仰せである。「ひとたび南無妙法蓮華経と唱えれば、一切の仏・
一切の法・一切の菩薩・一切の声聞・一切の梵天・帝釈・閻魔法王・日天・月
天・衆星・天神・地神ないし地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天界の一切衆生
心中の仏性を、ただ一声に呼びあらわしたてまつるのであって、その功徳は無
量無辺である」(御書557ページ、通解)
 この妙法の大音声を朗々と唱え響かせ、縁する人々を皆、味方にしながら、
断固として、友情の連帯を、愉快に堂々と広げていきたい(大拍手)。

勝利の日まで!
 一、きょうは、オランダの同志も見えておられる。
 オランダの人文主義エラスムスは"最後の勝利を希望せよ" "警戒をゆ
るめるな"(「エンキリディオン」)と言っている。
 最後の勝利の日まで、決して油断することなく、希望に燃えて、走り叫んで
いくことだ。
 
 一、先日、創価大学から、王者の如き富士を見つめながら詠んだ句を、わが
同志に贈りたい。

 勝ちまくれ
  風雪乗り越え
    富士の山
 師も弟子も
  富士の如くに
     勝ち戦
 戦いの
  最後の姿は
     富士の山
 季節の変わり目なので、どうか体調を崩さないように!
 全同志のご健康、そして全地域、全世界の友の栄光勝利を心から祈り、私の
スピーチとします。
 サンキュー! 謝謝! 多謝! タック! (スウェーデン語)ダンクゥウェ
ル! (オラン語)メルシー!(フランス語)グラッチェ!(イタリア語)グラシア
ス!(スペイン語)ありがとう!(大拍手)
(2003・3・28)