各部代表協議会


各部の代表、SGI(創価学会インタナショナル)公認通訳会議、海外代表に
よる協議会が10日行われ、池田SGI会長がスピーチした。



◆◆◆青年よ苦闘に勝て! 強くなれ!!
◆◆人間と人間を結べ 苦しむ友の味方に
"慈愛の光"を地域へ社会へ

 一、皆さまの広宣流布の尊き労苦、いつも本当にありがとう!
 「陰徳あれば陽報あり」(御書1178・1180ページ)である。
 陰徳(かくれた善行)があるからこそ陽報(はっきり現れる善い報い)があ
る。これは厳然たる「幸福の法則」である。
 最初から陽報だけでは、道理に反する。心からの満足は味わえないであろう。
 「かく(隠)れての信あれば・あら(顕)はれての徳あるなり」(同152
7ページ)とも、日蓮大聖人は記しておられる。

創価の若き君よ 早く生い立て!
 一、私は青春時代、すべてをなげうって、戸田先生のもとで働いた。戦後の
混乱のなか、先生の事業が苦境に陥り、周囲の人々が次々と去っても、私は一
人残り、耐えて戦った。それが陰徳となって、今日の学会の大興隆を、同志と
ともに築いてきたのである。
 いよいよこれからが、万年の構想実現の時代である。「本門の時代」である。
 大至急、青年を育てなければならない。これを見誤れば、大変なことになっ
てしまう。
 戸田先生とよく歌った"大楠公"の歌に、「早く生い立ち」とある。
 創価の青年よ、世界の大指導者へ、早く生い立て! 早く生い立て! と、
私は万感の思いをこめて、道を切り開いている。

■青年はどんどん先輩にぶつかれ
 一、ここで、戸田先生の折々の指導を確認したい。先生は、会社経営の観点
から、こう言われた。
 「商売を繁盛させるには、主人が朝いちばん早く来ることが大事だ。中心者
というものは、何をやらなくても、どっかりと座っているだけでも、意味があ
る。重役出勤は、最もいけない」
 「若い時代に、天下を取ったら、老人の意見を大事にしなければならぬ。逆
に、老人となって、天下を動かすときは、必ず若い人の意見を聞いてやらなけ
ればならぬ」
 今は時代も多様化し、そのまま当てはめることはできないかもしれない。し
かし、変わらぬ人間の心理、リーダーの姿勢を、先生の洞察から汲み取ってい
ただきたい。
 また、青年部の「水滸会」で、戸田先生は、こう指導された。
 「わからないところはここだと、ハッキリわかっているのが優等生だ。わか
らないところが質問できないのが、劣等生である」
 青年にとって「わからないこと」があるのは、当たり前である。何が、どう
わからないか、自分で悩んで探求し、先輩にぶつかって聞いていく。その潔い
鍛錬のなかに、大いなる成長がある。

■祈りから智慧
 一、青年の武器は何かラテンアメリカ解放の英雄シモン・ボリバルは訴えた。
 「勇気によって、不幸に終止符を打つことができる」
 「信念をもって戦う民衆は、最後に勝つ」
 大切なのは「勇気」である。"あと一歩""もう一歩"と自身の限界を乗り越えて
進むところに勝利の道は開ける。
 ボリバルは喝破した。
 「悪人は、誇りも感謝の念も持たず恩返しができない。できるのは、恐れる
ことだけである」
 悪人の本質は「臆病」だ。徹して責め抜くことである。放置すれば、悪は増
長する。
 一、中国の大詩人・白楽天白居易)は詠っている。
 「障害は智慧の灯りで焼き払わねばならず、魔性は智慧の刀で切り払うべき
である」(岡村繁釈による)
 広布の戦いの根本は祈りだ。題目で最高の智慧をわきいだすことだ。この原
点に立ち返る時、壁を破り、大きく前進することができるのである。
 一、10・2「世界平和の日」を記念し、SGI公認通訳会議の皆さまが、
ロシアの大文豪トルストイの写真や小説の挿絵、自筆原稿などの貴重な複製を
届けてくださった。
 中には『戦争と平和』の自筆原稿、『アンナ・カレーニナ』『人生論』の校
正原稿、『神の国は汝らのうちにあり』の題辞などの写しがあった。
 珠玉の"精神の宝"を、私は深い感銘をもって拝見した。心から感謝申し上げた
い。

★キング博士
   自らが変革の主体者に

■悪書は"毒"だ
 一、トルストイは幾多の中傷にさらされた。しかし民衆は彼を支持した。正
義の人を貶め、言論の暴力で人権を蹂躙する――現在も、こうした悪書は多い。
 トルストイは言う。
 「殊に何よりいけないことは、良くない著作ばかり読んでいると、自分の理
解力や趣味まで段々悪くしてしまって、良い著作にぶつかった時でさえまるで
理解ができないか、たとえ理解ができたにしてもまるきり見当違いをするよう
になる」(河野與一訳、現代表記に改めた)
 「正であり善であるものを、罪であり悪であると言いくるめたりすること」
「このような場合――虚言の悪はきわまれりと言うべきである」(小沼文彦訳)
 悪書は人々の善悪の判断を狂わせる"毒"である。反対に、「良書を読むことは
善に対する意欲をかき立てる」(同)とトルストイは述べている。
 とくに青年部の皆さんは、世界文学など良書に親しみ、心を深く耕してもら
いたい。人類の偉大な"精神の遺産"に学んでいただきたい。

■友に尽くす人生は喜び!
 一、トルストイの最晩年の著作『人生の道』には、彼の思索の結晶が、ちり
ばめられている。
 こんな言葉があった。
 「もしも諸君が他の人々より強かったり、富者だったり、学問があったりし
たら、諸君は他人に比べてあり余るそれ等のものによって、他人に奉仕するよ
うに努めなければならぬ。
 力において立ち優っていたら、弱い人たちを助けるがよい。智恵において優
っていたら、智恵のない人たちを助ける事だ。また学問のある人は学問のない
人たちを、富める人は貧しき人を助けなければならぬ。
 しかるに高慢な人々はそういう風に考えない。おれたちの所に他の人々に欠
けているものが保持されているとしたら、それを他人に分けてやるにはおよば
ない。他にそれを誇示すればそれでよい。――こういう風に考えるのだ」(原久
一郎訳)
 貧しい人々のため、弱い立場の人々のため――簡単なようで、なかなかできる
ことではない。
 妙法という最高の智慧を教え、友を幸福へと導く広宣流布の運動こそ、人に
尽くす最高の菩薩行である。そこに人生の喜びが光るのだ。
 今回、届けていただいたトルストイの「自筆メモ」(1910年6月10日)
には、こうあった。
 「皆が同じように苦しみ、同じように生活の変化を余儀なくさせられている。
皆が、人生において最も大切なものである生命観――宗教観を変える必要に迫ら
れているのだ」
 どのような生命観、宗教観を持つかで人生は決まる。私たちには三世の生命
を説く妙法がある。人間革命によって、絶対的な幸福境涯を確立することがで
きる。最高に価値ある、豊かな人生を歩んでいるのである。

ガンジー
   時の流れは正義の人に味方する!

◆◆勇気の力で わが限界を打ち破れ

■鋼のごとき自身を築け
 一、フランスの文豪ロマン・ロランは、友人にあてた手紙で、こうつづって
いる。
 「ただ一つのものだけがたぶん変化の法則をまぬがれます。ただ一つのもの
が普遍的によいものです。そしてトルストイがそれに公式をあたえました。そ
れは『人々を結合させるもの』です」(宮本正清・山上千枝子訳)
 ロランは無名の青年時代にトルストイに手紙を書いた。大文豪から思いがけ
ず長文の返事を受け取り、非常に感激した。
 私たちの活動もまた、人と人を結ぶ大運動である。草の根の対話で、正義の
連帯、人間主義の大連帯を、いよいよ広げてまいりたい。
 人権闘争のなか、南アフリカの獄中でトルストイの著作を読み、深く心を打
たれたのは、マハトマ・ガンジーであった。
 ガンジーはつづる。
 「私は心の中では常に、非暴力の理法に注意深く、かつ、間断なく従うため
に、自覚に立って苦闘している。人はそのような苦闘によって強くなるものだ」
(古賀勝郎訳)
 戦うことだ。苦闘を乗り越え、勝ち越えていくことだ。そのなかで、鋼のご
とき自身を築くことができる。
 さらにガンジーは「時の流れは、つねに道義を護ろうとする者に味方してく
れるものである」(森本達雄訳)と断言している。
 最後には正しいものが断じて勝つ。それが歴史の教訓である。
 「わたしには宗教のために政治を離れるというようなことはありえません。
わたしには、すべての活動―一このうえなくちっぽけな活動でさえ、わたしが自
分の宗教と考えているものによって支えられているのです」(同)とも述べた。
 ガンジーの行動は、不屈の宗教的信念に支えられていた。暴力や弾圧にも屈
しなかった。
 偉大なる精神の力――そこにこそ、インド独立を成し遂げた原動力があったの
である。

■社会を照らす希望の灯台
 一、非暴力による精神の革命。これが人類の希望である。
 アメリ公民権運動の指導者キング博士は訴えた。「社会の変革を望むなら
ば、自らが変革の主体者とならねばならない」
 タイの思想家ワーターカーンは「本当に偉大な人間とは、人間の世界に貢献
する者であり、人類の幸福のために働き、他の人々に善を行わせる者である」
と述べている。
 人のため、社会のために働いてこそ、人間は偉大になることができる。大き
く境涯を開くことができる。人間自身を革命し、世界を変えていくのだ。
 一、メキシコの詩人アマード・ネルボは呼びかけた。
 「谷より先に、太陽を仰ぎ見る山となろう」「家々よりも真っ先に、銀の月
光を浴びる塔となろう。そして、いかなる瞳より、はるか彼方の海を見渡す灯
台となろう。
 君の希望を高く高く掲げよ。その良き光に照らされて、一日も早く、君が求
める究極の理想を見いだすために」
 そびえる山のごとく、揺るがぬ塔のごとく、堂々と生き抜くのだ。
 妙法を持つ私たちには無限の希望がある。
 人間主義の希望の光で、わが地域を、社会を照らしてまいりたい。