第2総東京代表協議会


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名誉会長が新年の句

〔壮年部の友へ〕

   三世まで
    歴史に残せや
        勝ち戦(いくさ)

〔婦人部の友へ〕

   母の詩(うた)
     母の曲あり
       創価かな

   偉大なる
    母の勝利に
        仏あり
〔男子部の友へ〕

   本年も
    勝利を勝ちとれ
         若将軍

〔女子部の友へ〕

   幸福と
    平和のためにと
         広布舞

〔男子部の友へ〕

   断固たる
    勝利の英雄
      君なれや

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◆◆◆【マリノフ博士】
   日蓮仏法は人類を目覚めさせる哲学!!

◆◆◆【ボールディング博士】
   池田会長は歓喜の共同体を186カ国へ!!

◆◆◆一人が決然と師子吼せよ

◆◆【ロートブラット博士】
  暴力と憎悪をもしのぐ 正義の大音声を 今こそ!

◆◆【マリノフ博士】
  日蓮仏法は現実変革の力 反目を理解へと転換する



【名誉会長のスピーチ】

 一、それは、19世紀初頭のある新年のことであった。
  スイスの大教育者ペスタロッチは、自らが力と情熱を注いだ学園の友に、誇り高く呼びかけた。
 「我々の同人は著しくその数を増し、我々の団結は一そうその力を加え、我々の団結に対する信用は、著しくその重さを加えた」
 「高貴なる人々の無数の眼は、大(だい)なる希望をもって我々に向けられている」(四本忠俊訳、現代表記に改めた)
 この言葉さながら、私たちも新たな一年を、一段と連帯を広げ、団結を強め、信頼を深めるなかで、出発することができた。
 世界の“高貴なる知性”からも、文字通り、無数の賞讃が寄せられる時代に入っている。
 名実ともに「日本一」の新年勤行会は、各地で、さらなる上げ潮の勢いをもって開催された。
 お正月から、尊い使命を果たしてくださった役員の方々に、まず私は、心より感謝申し上げたい。
 喜ばしいことに、新春早々、多くの新入会の友が誕生した。また勤行会には、地域の有力者や、友人の方々も多数、出席してくださっている。
 海外でも、アメリカのボストン会館での新年勤行会には、私と連載対談を行っている「平和の文化の母」エリース・ボールディング博士が、素晴らしい笑顔で参加してくださった。
 博士は、こう語っておられたという。
 「アメリカSGI(創価学会インタナショナル)の集いには、さまざまな人種の人たちが参加しております。これは、他の宗教の集いには見られない現象です。ここに、歓喜にあふれた人間の共同体(コミュニティー)の確かな実像があります」
  〈さらに博士は「池田会長は、その共同体を世界の180カ国以上に広げ、発展させておられます。こうした集いに参加でき、私自身、素晴らしい新年のスタートを切ることができました」と述べていた〉
 創価の人間共和の世界が、どれほど麗(うるわ)しいか。ここにこそ、人類が求めてやまぬ「平和の文化」の縮図があるといってよい。

■自らの「限界の壁」を打ち破れ!
 一、対談集『文明・西と東』をともに発刊した、「ヨーロッパ統合の父」クーデンホーフ・カレルギー伯爵の忘れ得ぬ言葉に、「学校と新聞は、血を流さないでへ暴力を用いないで世界を革新し、向上せしめる二つの基本点である」(鹿島守之助訳)とある。
 その通りである。
 伯爵とは、東京の聖教新聞社でも親しく語り合った。
 「正義の言論紙」である聖教新聞を配達してくださる誉(ほま)れの無冠(むかん)の友の皆さま方! 今年も健康で、絶対無事故で、よろしくお願い申し上げます。
 さらにまた、伯爵が創立まもない創価学園に足を運ばれ、凛々(りり)しき学園生を絶讃してくださったことも懐かしい。今や、創価教育の光は、世界を照らし始めた。
 先日、行われた、アメリ創価大学大学院の卒業式には、アメリカ実践哲学協会会長のマリノフ博士も来賓(らいひん)として出席してくださった。
 〈マリノフ博士は、昨年5月に発刊され、各国でも大きな反響を広げている自著『大いなる問い――哲学は、いかに人生を変えうるか』のなかで、日蓮仏法の思想と池田SGI会長の言葉を紹介している〉

 博士は、こう訴えておられた。
 「仏法が目指すように、人類の真の勝利の証(あかし)は、すべての人々が苦悩から解放されることにある。しかし、苦悩からの解放といっても、それは苦悩を避けて通ることを意味するのではありません。それを乗り越えることです。
 実際、人間は、最悪の環境から最良の結果を引き出すことができるのです」
 博士は私の言葉に着目されながら、「人間には、自らの限界を乗り越えていく力が備わっています。私たちが限界を打ち破れば、他人が私たちを“限界の壁”に閉じこめておくことが一層、難しくなるのです」とも語っておられた。
 マリノフ博士は、現代が「価値観の空白」の時代であることを憂慮(ゆうりょ)されている。哲学なき社会は、漂流し、迷走(めいそう)せざるを得ない。
 博士は、こう力を込めておられた。
 「今、人類は再び、哲学に目覚めるべき時に来ていると思えてならないのです」「哲学の新しい展開によって、人類が新しい時代を開き、今までの人類を凌駕(りょうが)するような、重要な時期にさしかかっていると思うのです」
 では、いかなる哲学が、その役割を果たすのか。
 博士は、ずばり答えてくださった。
 「今、世界は困難な状況に直面しています。
 人類は、この厳しい現実のなかから、何とか理想の高みへと飛躍しなくてはならない。
 人々の間の反目と無理解を、理解と協調に転換していかねばならない。
 この現実のギャップを“最短距離”で結ぶことができるのは、パワーに満ちあふれた日蓮仏法ではないか」「特にアメリカ社会には、仏法の中道(ちゅうどう)思想が必要だと、私は見ています」
 これが、21世紀を担(にな)い立つ哲学者の展望である。創価の前進は、まさしく世界の希望なのである。

■方(ほう)画伯「多忙こそ長寿の道です」
 一、この年末年始、世界の多くの友人から、うれしいお便りをいただいた。
 「香港の芸術の母」であられる方召リン(★鹿/吝)(ほうしょうりん)先生は、私の誕生日に寄せて、見事な書を届けてくださった。
 今春、90歳になられる先生は、「多忙こそ長寿の道です」と語られながら、日々、生き生きと若々しく、美の創造を続けておられる。
 いただいた書の一幅(いっぷく)には、方先生の好きな言葉である「松濤(しょうとう)」。そして、もう一幅には「正義感」と、墨痕(ぼっこん)も鮮(あざ)やかに認(したた)められている。
 それはそれは力強い文字が躍動している。私は感動した。
 さらに、このほど、アメリカで新しく発刊された私の英文詩集『平和への闘争』には、パグウォッシュ会議名誉会長のロートブラット博士(ノーベル平和賞受賞)が、過分な紹介文を寄せてくださっている。
 ロートブラット博士は95歳。
 「健康長寿の秘訣(ひけつ)」を聞かれて、「一つの大きな目的に向かって、わき目も振らずに進んできました。それが生きがいになっていると思います」と淡々と語っておられた。
 「一つの仕事を終えると、すぐ次の仕事について考え始める」――これが、この平和の闘士の信条である。
 その博士が、私の詩集の「紹介文」のなかで、こうつづっておられる。
 「いつの時代にも、どれほどわずかであれ、正義を希求(ききゅう)する尊き声はあげられてきた。
 しかし、増幅する暴力と憎悪をもしのぐ正義の大音声(だいおんじょう)を、今ほどあげねばならない時はない」
 こうした大先輩の魂の叫びに応(こた)えて、私たちは、今年も、断固として「正義の師子吼」を貫いてまいりたい。

◆◆◆強敵との大闘争から仏界の大生命が!

■師子吼が「恐れを除き」「魔を砕く」

 一、蓮祖(れんそ)大聖人は「南無妙法蓮華経は師子吼の如し・いかなる病(やまい)さは(障)りをなすべきや」(御書1124ページ)と仰せである。
 仏法では、威厳と力に満ちた仏の姿を、百獣の王である「師子」にたとえる。仏を「師子王」、仏の説法を「師子吼」と言う。
 また「師子吼」には、「一切衆生に仏性(ぶっしょう)があること」を、勇敢に堂々と宣言しきっていく意義がある。〈大般涅槃経(だいはつねはんきょう)の師子吼菩薩品に「師子吼とは、決定(けつじょう)して一切衆生悉(ことごと)く仏性有り、如来常住(じょうじゅう)にして変易(へんにゃく)有ること無しと説くに名づく」と〉
 そして、その師子吼には――師子を装うニセ者を打ち破る、無明(むみょう)に眠る者を目覚めさせる、人々の恐れを取り除く、眷属(けんぞく)の威光(いこう)勢力を増す、堕落(だらく)を戒(いまし)める、子どもらに教え説く――等々の力が具(そな)わっており、仏は衆生のために師子吼して魔軍(まぐん)を砕き破ると経文に説かれている。
 一人が決然(けつぜん)と師子吼することが、いかに重要であるか。
 大聖人は、千日尼(せんにちあま)への励ましの御手紙に、こう記されている。
 「一(ひとつ)の師子王吼(ほゆ)れば百子(ひゃくし)力を得て諸(もろもろ)の禽獣(きんじゅう)皆頭七分(こうべしちぶん)にわ(破)る」(同1316ページ)
 「法華経の師子王を持(たも)つ女人(にょにん)は一切の地獄・餓鬼・畜生等の百獣に恐るる事なし」(同ページ)
 広布に進む女性に、恐れるものなどない。また、女性の正義の声ほど、強いものはない。
 ともあれ、「声仏事(ぶつじ)を為す」(同708ページ)である。破折(はしゃく)の声を惜しんではならない。
 言うべきことは、臆(おく)さずに明快に言い切っていくことだ。
 打ち返すべきことは、一つ一つ、痛烈に打ち返していくことだ。
 御義口伝(おんぎくでん)には、師子吼の「吼(く)とは師弟共に唱うる所の音声(おんじょう)なり」(同748ページ)と明かされている。
 わが青年部には、破邪顕正(はじゃけんせい)の勇気ある大言論戦を託(たく)したい。

■邪悪を攻め抜いてこそ正義

 一、「無実の者を圧する悪者は罰せられよ! 正義は法廷で復讐(ふくしゅう)の剣を抜いて待っている」(坂本健順訳)
 楽聖ベートーベンが残した唯一のオペラ「フィデリオ」の最終場面の合唱である。
 そこでは、正しき人を理不尽(りふじん)に弾圧した、権力者の邪悪な行為が明白に暴(あば)かれる。
 そして、その悪人は捕(と)らえられ、人々から糾弾(きゅうだん)の声を浴びながら、みじめに連れ去られていくのである。

 暴君(ぼうくん)に対する「正義」の勝利!
 野蛮(やばん)に対する「精神」の勝利!

 この不滅の逆転劇は、人々の魂を揺さぶらずにはおかない。
 今、世間法、国法、そして、仏法のいずれの次元においても、日顕一派の悪事が次から次へ、峻厳(しゅんげん)に断罪されていることは、周知の通りである。
 「徳は悪をおびやかすものだ」(同)とは、「フィデリオ」の一節だ。
 悪に恐れられてこそ、正義である。
 悪を打ち倒してこそ、正義である。

◆◆◆さあ本領発揮の時だ!

◆◆民衆の底力で平和社会の大建設を

■人間さえしっかりしていれば!

 一、私が現在、対談を続けている世界的な経済学者のガルブレイス博士は、論じておられる。
 「人間さえしっかりしていれば、どんなに厳しい現実や逆境に出会っても、必ずや彼らが鮮(あざ)やかな反転と復興と飛躍の原動力となって、その社会を見事に繁栄に導くものである」(角間隆訳)
 私との対談でも「『民衆に力を与えること』――そこに、時代を変革するための大きな鍵(かぎ)がある」と述べておられた。
 まったく同感である。
 一切は「人間」をつくり、「人間」を育てることから始まる。
 そしてまた「民衆の力」を引き出し、「民衆の力」を結集することから始まる。
 私どもの進める広宣流布の軌道(きどう)も、そこにある。
 妙法は、あらゆる人間に内在する無限の生命力と智慧を発光(はっこう)させゆく太陽である。
 「観心本尊抄(かんじんのほんぞんしょう)」には、「地涌千界(じゆせんがい)の大菩薩を召(め)して寿量品の肝心たる妙法蓮華経の五字を以て閻浮(えんぶ)の衆生に授与せしめ給う」(御書250ページ)と説かれている。大聖人は、全民衆を救う妙法を弘めるために出現されたのである。

 一、今、私たちは「本門の時」を迎えている。
 日蓮仏法において、「本門の時」とは、一次元から言えば、「自分自身の生命の本領を発揮(はっき)する時」であり、「民衆が底力を発揮する時」にほかならない。
 法華経文上(もんじょう)の本門では、釈尊の本地(ほんち)が、永遠の昔からの仏であることが明らかにされた。

 大聖人の文底下種(もんていげしゅ)仏法では、全民衆、全生命が「妙法の当体(とうたい)」であることが明かされ、事実の上にその偉大な生命を開花させる法が示されているのである。
 本門の如来寿量品第16の「如来」について、「如来とは一切衆生なり」(同752ページ)と、大聖人が宣言しておられる通りだ。
 民衆が、妙法の当体としての“生命の底力”を思う存分に発揮して、平和と幸福の社会を大建設していくことが、仏法の究極である。

 そのための一大民衆運動が、わが創価学会の運動なのである。
 今年は、一人ひとりが、自(みずか)らの本領を悔いなく発揮していく年としたい。
 その原動力こそ、厳として何ものをも恐れぬ信行(しんぎょう)である。

■今年は仏法の邪正(じゃしょう)をただす年!

 一、「釈迦如来の御ためには提婆達多(だいばだった)こそ第一の善知識なれ、今の世間を見るに人をよくな(成)すものはかたうど(方人=味方)よりも強敵(ごうてき)が人をば・よくなしけるなり」(同917ページ)とは、「種種御振舞(しゅじゅおふるまい)御書」の有名な一節である。

 邪悪な強敵との勇猛果敢(ゆうもうかかん)な大闘争のなかにこそ、広宣流布の前進がある。またそこに、本然(ほんねん)の仏界の大生命も赫々(かっかく)と現れてくる。
 これが、人生の方程式であり、仏法の法理なのである。
 一、大聖人が、お正月に認(したた)められた御聖訓に、こう仰せである。
 「勝負を以て詮(せん)と為し」(同1002ページ)
 「今年は殊(こと)に仏法の邪正(じゃしょう)たださるべき年か」(同893ページ)
――今年は、ことに仏法の邪正がただされるべき年であろう――
 私たちは、この断固たる希望と誇りと確信をもって、戦ってまいりたい。そして、厳然と勝利の歴史を飾りたい。

 一、このほど、「中国初の女性作家」として名高い謝冰心(しゃひょうしん)先生の名を冠(かん)した「冰心(ひょうしん)文学館」が、私と妻に名誉称号を贈ることを決定してくださった。〈名誉会長に「名誉館長」、香峰子夫人に「愛心大使」の称号〉

 その謝冰心先生の詩の一節を、愛する青年に贈り、私のスピーチとしたい。
 「めばえゆく緑の芽が青年に語りかける。
 『汝自身を発展させよ!』と。
 白く美しい花が
 青年に語りかける。
 『人に尽くす自分であれ!』と。
 深紅(しんく)の果実が
 青年に語りかける。
 『汝自身を大いなる目的に捧げよ!』と
 本年も、広宣流布の大願へ向かって、新たな「向上」と「拡大」と「勝利」のわが人生を、一歩また一歩、晴れ晴れと、信念に燃えて、さっそうと踏み出していこうではありませんか!

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  【本門の青年よ】    
             
 ・汝自身を発展させよ!  
 ・人に尽くす自分であれ! 
 ・大いなる目的に生きよ! 
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名誉会長が新年の句

大闘争
 君の指揮にて
    勝ちまくれ

母の歌
 母の曲あり
    広布かな

三世まで
 功徳 輝け
    母の声

英才の
 若き英雄
   広布かな
(2004.1.3 八王子・東京牧口記念会館)