青年よ! 正義のために戦え



青年よ! 正義のために戦え

          山本 伸一


勝利の第一条件は
勇気である。
勇敢である。
幸福の第一条件もまた
勇気であり
勇敢である。
その勇気と
勇敢のなかには
知性が含まれ
慈愛が含まれ
文化が含まれる。
真剣な精神が
誠実にして
躍動している。
さらに
心広々と
平和へのスクラム
作る智慧がある。
勇気は
悪への鉄槌(てっつい)の力であり
善への建設の力である。
最も腹立たしいのは
大嘘の
嫉妬に狂った
中傷批判である。
社会の弊害(へいがい)を
見極めると
その原因の多くは
人生観がない。
哲学がない。
希望と夢がない。
高次元から
生命の生老病死
見つめようとする
意志が全くない。
これらの
高度の要求を
満たしていかなければ
人間にとって
幸福は
永久にあり得ない。
低次元の人生観に
完全に満たされてしまった
未来は
根源的な不幸の炎である。
人間が
理念を持たずして
生きゆくことは
動物に等しい。
正しき理念は
人間の平和と幸福への
永遠なる道標(みちしるべ)である。
君たちは
仏法に説く
世界広宣流布という
前人未踏(ぜんじんみとう)の
巌(いわお)の如き道を
切り開いてきた。
あらゆる
世間の嘲笑(ちょうしょう)中傷を
ものともせず
正しく
そして正しく
勇敢に
そして勇敢に
世間の嵐を通り越して
君たちは
堂々と
勝利の決着を
つけているのだ。
絶望の底に進みゆく
互いに呪(のろ)い合って
荒れ狂う人々のために
永遠の法則の力を
出し合って
君たちは
皆を正義の道へ
無限に価値ある道へと
戦い
指導していくのであった。
正しき人々に
戦慄(せんりつ)を与えゆく
悪魔の輩よ。
その命は
正義を食い散らし
善の人々を破壊しゆく
恐るべき魔性(ましょう)だ。
蝙蝠(こうもり)のように
気味の悪い翼を広げて
人々をぞっとさせる
あの畜生にも似た
絶対に信用できぬ輩よ。
君よ
悪魔の捕虜になるな!
正義への
反逆者になるな!
卑劣な
誓いを破る
二流の人間になるな!
多くの青年たちが
廃墟の精神になりゆく
哀れな姿を
忘れるな!
自らの魂を
自らの信念を
破壊しゆく
愚かな青年になるな!
君の胸に
巨大な
立派な記念碑を
創るのだ。
君よ
勝たねばならぬ。
君よ
人生の土台の青春を
勝たねばならぬ。
人生は戦いだ。
人生は戦闘だ。
勝ち抜いて
君の
あの華麗な勝利の門を
通りゆくことを
想起(そうき)されたい。
あの
信念を捨て
臆病に侵(おか)された姿を
見たまえ!
人生の最盛期にあって
間違った方向へ
間違った道を
落ちぶれて歩みゆく
あの増上慢であった彼を
笑い見つめろ!
君は勝ったのだ。
いな
勝たねばならないのだ。
その大いなる勝利の
勝算の伝授は
偉大な師匠があることだ。
偉大な友があることだ。
そして
偉大な哲学があることだ。
偉大な信仰があることだ。
汝自身を
軽蔑するものは
永遠に人々から
軽蔑されていくことだろう。
誇り高き人間は!
内面に
崇高(すうこう)なる信条を
持った人間は!
善なる
偉大なる使命の人間は!
嫉妬深き愚人から
多くの
人生の経験の苦杯を
受けるのは当然だ。
中世アラブの大詩人
ムタナッビーは謳った。
「人は苦悩によってのみ
 高きを得られる。
 苦悩なくして
 高きを望むものは
 不可能を求めて
 時を逸(いっ)する」
試練の物語のなき人間は
享楽的(きょうらくてき)な人間である。
建設の苦痛など知らぬ
敗北者だ。
試練に耐えゆけぬ
悲しき敗北者になるな!
それは
いくら口先で
善を叫ぼうとも
汝自身の心のままに
振る舞うことが許されぬ
懲罰(ちょうばつ)を受けるだろう。
君たちの
信心の位は
大いなる徳を持ちたる
皇帝よリも
遙かに高く
貴賎(きせん)を問わず
最大の平和の宮殿に
悠然と生き抜いているのだ。
そこには
少しも後悔はない。
幻の如き
華麗な幸福も
必要ない。
君たちは
天空の夜空の星を
仰ぐように
永遠の
三世にわたる
根本の法理を綴(つづ)りながら
心温(あたた)かい
心強き
そして心豊かな
正義の生命をば
光り輝かせているのだ。

 二〇〇四年八月十二日
       世界桂冠詩人