全国最高協議会での名誉会長のスピーチ〔1〕


◆◆◆≪戸田先生≫
 
    ◎三代の師弟が万年の土台に!
    ◎広宣流布は連続革命   一日一日が前進!
                       一日一日が勝利!

◆◆ 声で勝て! 心に響く名指導を
    ── 10月 青年部の2級試験へ 行学の二道を進め



【名誉会長のスピーチ】
 一、全国最高協議会の開催、まことにご苦労さまです(大拍手)。
 夏の研修は、学会の伝統である。
 責任ある立場に立つ人ほど、自己に厳しく、自己を磨き、光り輝いていなければい
けない。
 いくつになっても、心は青年のごとく、きびきびとした清新な息吹にあふれている。そ
れが学会精神である。
 一日一日が前進!
 一日一日が勝利!
 それが学会のいき方である。進まざるは退転であり、仏法は勝負であるからだ。
 戸田先生は明確に指導された。
 「広宣流布という未曾有(みぞう)の大運動は、あらゆる分野にわたっての連続革命
であり、連続運動である」と。
 時代は刻々と動いている。変化、変化の連続である。
 例えば、少子化の流れも、想像を超える速さで進んでいる。
 学会の未来部のあり方も、また、私の創立した創価大学創価女子短期大学をはじ
め、創価教育の展望についても、私は将来を見据えて、いち早く対応を協議してき
た。
 今や、4割の私立大学(4年制)が「定員割れ」という現状なのである。
 伸びていくところと、落ちていくところがある。
 勝っているところは、どこも真剣である。瞬時に手を打っている。ぼやぼやしていたら、
それだけ遅れる。負けの因をつくる。幹部の責任は重大なのである。

◆要・略・広で分かりやすく
 一、ともあれ、生き生きと、協議会を進めてまいりたい。
 御書には「声仏事を為す」(708ページ)とある。声が大事である。
 「心に響く声」で話すことだ。
 話す内容も、正確で嘘がないかどうか、そして要点がきちっと押さえられているか。
戸田先生は、そういう点に厳しかった。
 話には、「要・略・広(よう・りゃく・こう)」の三つがあるのだと指導された。
 つまり、急ぎの場合は要点を、時間があれば、概略を、さらに説明の必要があれば、
広く詳しく述べる。
 結論の分からない、だらだらした話は、皆のやる気を奪うだけである。

◆御書を繙(ひもと)け!
 一、剣豪の修行のごとき教学研鑽が学会の伝統である。
 とくに青年時代に学んだ教学は、一生の信心の土台となる。
 青年部の諸君は、執念をもって、月々日々に、御書を繙いていっていただきたい。
 大聖人は「行学の二道をはげみ候べし、行学た、(絶)へなば仏法はあるべからず」
(御書1361ページ)と仰せだ。
 「行学の二道」が仏道修行の根本である。
 この秋(10月1日)には、全国で青年部の教学試験2級が実施される。大成功・大
勝利へ向けて、皆で全力で取り組んでまいりたい(大拍手)。

増上慢(ぞうじょうまん)になるな
 一、幹部は増上慢であってはいけない。
 それでは人材も育ってこない。
 戸田先生は言われた。
 「御本尊の力は無量無辺に偉大である。ゆえに、いくらでも組織が伸びていくことは
間違いない。しかし、それを自分の力だと思っていると、数は増えても人材は出そうで
絶対に出てこない」と。
 指導者は、「あの人はいいけど、この人はだめ」ではなく、「あの人はここが良い、こ
の人はここが良い」と、一人一人に光を当てながら、その人の長所を見つけ、讃えて
いくことだ。
 人材が育つか否か。
 リーダーの一念と行動で決まってくるのである。

◆師弟の闘争で仏法は世界へ
 一、仏法の根幹は師弟である。三世永遠にわたって師弟である。
 戸田先生は、遺言のごとくおっしゃった。
 「三代までが、万年の土台となる」と。
 日蓮大聖人の御精神を現代に蘇らせ、生命の奥底からの宿命転換の方途を示し、
それを日本の民衆に広めゆく基盤をつくられたのが、初代の牧口先生であり、第2代
の戸田先生であられた。
 そして、その基盤を受け継いで、万年の世界広宣流布の土台をつくりゆくことが、第
3代である私の使命であり、実践であった。
 今、太陽の仏法は、世界190力国・地域に広がり、世界の民衆を平和と文化と幸福
の光彩で照らしている。戸田先生のおっしゃる通りに私はやってきた。
 三代の闘争によって、万年の学会の土台は築き上げられたのである。
 この三代に脈打つ「広宣流布の魂」を守り抜き、受け継いでいくならば、学会は永遠
に発展し、勝っていくことができる。
 それを強く申し上げておきたい。

◆大難と戦う師匠を守れ
 一、戸田先生は厳しく言われた。
 「師匠直結の幹部たれ」と。
 私は師匠の一言一句を、一つも漏らさず心に刻んできた。冗談で言われたようなこ
とでも、絶対にゆるがせにしなかった。
 それが師弟である。
 師匠の牧口先生に、弟子の戸田先生は、牢獄までお供された。
 非国民とののしられ、牢獄でひどい目にあわされ、それでも耐えに耐えられた。大
変なことである。
 その戸田先生が今度は事業に失敗し、莫大な借金を抱え、破滅寸前に陥ったとき、
だだ一人、最後まで先生をお守りしたのは私である。
 大阪事件では、無実の罪を着せられて牢獄にも入った。
 体は強いほうではなかった。医者には「三十までは生きられない」と言われた。
 それでも、私は、祈りに祈り、命がけで戦い、家庭も何もすべて捨てて、師匠にお仕
えした。大難と戦う師匠を守り抜いた。
 そして、戸田先生に第2代会長となっていただく道を厳然と切り開き、万代の勝ち戦
の土台をつくったのである。
 自分のことになるが、後世のために、あえて明快に述べておきたい。

◆透徹した信心で
 一、「青年は心して政治を監視せよ」これは、戸田先生の教えであった。
 先生は、権力の魔性の一恐ろしさを熟知しておられた。
 「現実は修羅場であり、戦場である。社会の泥沼には、権力闘争が渦巻いている。
その中で、妙法の政治家を育てていくのだから、相当の覚悟が必要だ」こう語ってお
られたことも、忘れられない。
 さらに先生は、こう訴えておられた。
 「広宣流布は、どこまでいっても結局は御本尊の仕事である。
 ゆえに、いつ、いかなる場合も、透徹した信心が要請されるのだ。
 それで、我々の凡夫の眼も、仏眼(ぶつげん)の一分となることができる」
 一切の根本は信心である。真剣に、御本尊に祈りきっていくことだ。
 「戦いは真剣さが大事だ。一日一日が真剣勝負だ。真剣でなくては悔いが残るぞ」
 これも戸田先生の指導である。
 きょうという日は二度と来ない。きょうを勝ってこそ、未来の勝利もある。
 貴重な一日一日を、悔いなく戦い抜いていくことだ。


◆◆ 学会は最高の人間錬磨の場
    ── 戦いは真剣勝負! 悔いを残すな

折伏精神を胸に
 一、戸田先生は、「創価学会とは“折伏学会”の異名である」と語っておられた。
 人々を不幸にする悪とは、敢然と戦う。友の幸せを祈り、幸福の大法である妙法を
教えていく。
 ここに学会の使命がある。大目的がある。
 リーダーの皆さまは、「折伏精神」を全身に漲(みなぎ)らせて、進んでいただきた
い。
 先生は人材育成の方法について、こう述べておられた。
 「学会活動に打ち込ませることが、人材を磨くことになる。これ以外に方法はない」
 大切なのは実践の中で訓練していくことだ。
 人と会い、語る。励ましを贈る。一つ一つ壁を破り、結果を出していく。そうした積み
重ねの中で、人間が磨かれ、信心が鍛えられていく。
 学会活動は、最高の人間錬磨の場なのである。

◆目的を忘れるな
 一、先生は言われた。
 「広宣流布を忘れて枝葉末節のことに走っては、我々の活動は活力を失うことにな
ってしまう」
 我々の目的は何か。
 広宣流布である。自他ともの絶対的幸福の実現である。平和と希望の大哲学を全
世界に広めゆくことだ。
 この目的を忘れて、枝葉のことにとらわれたり、かえって学会員を苦しめるようなこと
があっては本末転倒である。
 皆が生き生きと、心軽やかに活動できるように、リーダーの皆さんには縦横の指揮
をお願いしたい。
 戸田先生は、調子に乗って威張ったり、尊き同志を見下したり、和合僧を破壊する
ような幹部に対しては、それはそれは厳しかった。
 「幹部も、いい気になっていると、皆から浮き上がって、最後には地獄に沈むぞ」とま
で言っておられた。
 厳愛の指導として、未来のために残しておきたい。

                       (2006・7・31)