偉大なる我が師に捧げる 我らは弟子の正道を!



私の恩師

戸田城聖先生の指導は

常に厳しかった。

人間としての道を

正しく強く生き抜けと

指導してくださった。

人生は勝負だ。

仏法は勝負だ。

勝利は幸福。

敗北は地獄。

勝利は光。

敗北は闇。

最高の人生を

生き切るために

君よ! 絶対に

黄金の旭日を浴びながら

銀色の月光を見つめながら

悠然と

生き生きと

正義の勝利の道を

踏破していくのだ。

そのためには

責任を果たし

忍耐強く

わが使命のために

働き 戦え!

朗らかに

勝利博士として

休まず

弛まず

自己自身を前進させゆくのだ。

ロシアの劇作家チェーホフ

語っている。

「あなたの生活の

 方向さえ変えれば、

 すべてが変わる」

さらにまた

「人間というものは、

 高尚な

 輝かしい目的に向って

 進んで行かなければならない」

いかなる苦難の道も

勇気をもって

喜び勇んで戦い

乗り越え

断じて勝ちゆくのだ。

これが生きゆく人生の

究極だからである。

ともあれ

人間は誰人も

幸福になる権利がある。

その尊き権利を

絶対に捨ててはならない。

立派な人間となって

勝利の人材となって

心豊かに

この人生を

平和と幸福のために

邁進し抜いてゆくのだ。

その姿に

父も喜び

母も喜ぶ。

多くの友人が喜び

子どもたちも喜ぶ。

私の真実の信念の心は

わが師匠のために

一切を捧げることにあった。

この世で人間として

師匠ほど

尊きものはないからだ。

父も母も

すべてが尊い

真実の人間の道

真実の人間の心を

教えてくださるのは

師匠である。

私が青春時代に傾倒した

十九世紀のロシアの大文豪

ドストエフスキーは言った。

「本当の、まじめで、

 正しい教義がなければ、

 たちまち社会に

 きわめて有害で

 破滅的な現象が

 現われてくるようになる」

その「正しい教養」は

「正しい師弟」なくしては

絶対に得られない。

さらに

ドストエフスキーは主張した。

「人がいない」

「中心がない、

 燃ゆるがごとき

 誠意の人がいない、

 新しい思想がない。

 が、もっとも重大なのは

 人間である、

 人間が何よりも

 まず第一である!」

その通りだ。

「大誠実の人間」をつくる

「大誠実の師弟」こそ

この世で

何よりも第一に

重要な法則なのだ。

そして

ドストエフスキー

明確に結論した。

「国民の生活にあっては

『宗教の精神による

 自己完成』こそ

 ありとあらゆるものの

 根本である」

仏法の師弟に勝る

生命の完成の力は

他のどこにもない。

私は

いかなる境遇になっても

天が輝いているように

師匠を思い出す。

師匠の慈愛

数知れぬ叱咤激励!

わが心を決して離すことなく

護り語ってくださる

師の言葉よ!

いかに叱正されても

明るい闇の中にいるようだ。

師匠を持たぬ者は

人生の生きがいも

希望と歓喜も浅くなる。

そしてまた

その人生の希望も歓喜

妄想に流される。

師匠の目が

私の目に注がれた

劇的な瞬間!

師の声が

私の耳朶に響いた

感動の瞬間!

その喜びと決意と

限りなき熱い魂は

何ものをも超越し

人間の生命に誇りを与える。

生きがいを与えてくれる。

私は

懸命に戦い働いて

師匠に報告することが

最高の光栄であった。

師匠に叱られ

師匠に励まされ

汝自身の智慧を顧みず

ひたすら師の胸に響きゆく

激戦また激戦の

勝利の収穫を男つめながら

最高の幸福を感じてきた。

あの師の笑顔

あの師の微笑!

私の勝利は

師の勝利!

師の勝利は

私の勝利!

たしかに偉大な人生を

歩み通した歴史上の人物は

師弟の正道を歩んだ。

師弟で栄光の大道を

歩み創っている。

師弟一体ならば

恐ろしきものはない。

悪に対して復讐する

正義の心は

さらに倍加する。

わが人生の最終の

厳しき蕃判の日にあって

「私は勝利した!」と

言い切れる。

この叫びが

師匠に響きわたる時に

師弟不二の最極の人生を

勝ち抜いた証拠となるのだ。

真剣に広宣流布という

世界平和を語りゆく

師弟の姿は

この世の尊極の勝利の劇だ。

それは

平凡に見えるが

崇高にして偉大な

英雄と英雄の師弟一体の

美しく胸に満ちゆく

光り輝く定めだ。

深き師弟不二なる

師匠と弟子の対面には

勝利への決意の喜びの

私が光っていた。

断じて勝利する

私が輝いていた。

変化しゆく

雲の流れの如き

人間と人間との歩みに対して

師弟に達した人生には

確固たる深き強き

動じない法則があった。

あの嫉みに狂った

批判中傷!

あの光輝なる喜びを知らぬ

愚者たちの

汚いあがきの喚き声よ!

その止まることなき動乱の

生きとし生ける

人間の世界にあって

なんと気高き

師弟の調和の歌よ!

師は

古き高き父に見えるが

若き私の

生きる天地であられた。

喜ばしき目的を

明確に決定しておられた。

不二の運命という

金の心の交わりは

誰人が抵抗しても

断じて崩すことができなかった。

ホイットマンは叫んだ。

「油断なく神経を張り巡らせ

 座礁を警告する鐘に

 すばやく反応しゆく

 おお、若き舵取りよ!」

「貴重な宝を載せた

 美しく気高き船は

 座礁の危機をも

 無事に朗らかに

 勢いよく切り抜ける」

「おお、船よ!

 永遠不滅なる船よ!

 船に乗り込む

 人間という船よ!

 身体の船よ、魂の船よ

 汝は人生という海原を航く。

 さらにさらに

 永遠に進み航くのだ」

君よ!

君の勝利は

善き友と一体となって

勝ち取れ!

君よ!

善き同志と

善き信念と

善き前進の彼方には

栄光輝く世界が待っている。

迫害の輩も跪き

忠誠と感謝に包まれた

弟子たちの高貴な大城が

待っている。

あの憂鬱な暗い大地を

歩むな!

あの裏切り者と

邪悪な道を歩むな!

嘘 偽りの雨の中を

決して歩むな!

そこには

絶望だけが待っている。

愚者の集まる邪道だけは

決して歩むな!

愚かになるな!

卑劣になるな!

あの魔性の手先になるな!

最後は悔恨の

地獄の炎しか待っていない。

「信仰するものは強い」

そして

「世界全体に打ち勝つためには、

 自分自身に

 打ち勝たなければならない」

これは

ドストエフスキー箴言である。

生きるということは

悪と戦って

勝つためにあるのだ。

わが人生の展望を

壮大に開け!

永劫の勝利の

光の道に向かって進め!

偉大な希望を胸に

戦い抜いて

永遠に生気溌剌とした

弟子の正道を歩み抜け!

二〇〇七年七月五日 学会本部・師弟会館にて  桂冠詩人