林学長の授与の辞

池田先生は日本を代表する 生命尊厳 人類貢献の思想家

 本日、私は光栄にも、雲林科技大学を代表し、本学創立以来、初めての「名誉管理学博士」を、世界平和と文化・教育交流に対する卓越した貢献をしておられる池田大作先生に授与し、顕彰させていただくことができました(大拍手)。
 わが雲林科技大学は、1991年に創立されました。若く活気に満ち、創意と理想にあふれる大学であります。
 人文との関わりを大切にして科学技術を研究するという教育方式をとっております。優秀な科学技術の人材を育成することに力を入れてまいりました。この17年の努力により、各分野で目覚ましい発展と進歩を遂げたのであります。
 現在、工程・管理・設計・人文科学の4つの学院があります。19の学部と29の修士課程と9の博士課程に、9300人の学生が学んでおります。
 わが大学は、台湾全土でも、大学教育、研究開発、そして企業間との協力において、卓越した評価を得ております。
 さらに学生は、国際的なコンテストにおいても好成績を収めており、国際的な活動への参加によって、学生たちは視野を広げ、国際感覚を磨いております。そして、生命や異なる文化を尊重し、社会や他人との接し方を身につけ、科学技術をもって世界に貢献する精神を養っております。
 もっとも喜ばしいことは、卒業生は、「誠」「敬」「恒」「新」──即ち、「誠実で礼を重んじ、忍耐力をもち清新の息吹にあふれる」という校訓を胸に、社会に貢献し、企業でもなくてはならない人材となっております。
 さらに本学は、現在、アジア、ヨーロッパ、アメリカの14カ国から138人の留学生を受け入れております。国際的な学風のもと、学生たちは異なる文化を尊重するようになりました。
 「世界は皆兄弟」といった友情を育んでおり、「近者説、遠者来」(近き者説び、遠き者来る)──つまり、「近くの人に喜びを与えれば、遠くの人が来る」と『論語』に言われているように、本学は、台湾内外の学生を受け入れた、全体人間を育成する大学を目指しております。
 さて、このたび「名誉学位」を贈らせていただく池田先生についてですが、先生は日本を代表する思想家であり、教育者であります。また、仏法の生命哲学を基調に、世界平和と文化と教育の運動の推進のために尽力しておられます。
 池田先生は崇高な志と深遠な智慧をもって、文化と教育において「生命の絶対的な尊厳の哲学」を主張し、「異なる文化を尊重すべきである」と強調しておられます。そして「民衆のために、苦楽を民衆と共に」との信念を、人類共存の基礎として叫ばれています。
 さらに、池田先生は、大学のもっとも基本的な使命とは、その民主主義の思想を発揚し、社会のため、人類のために貢献することだとする一方、「師弟」の精神を通して、互いに切磋琢磨し、人格の鍛錬をしていくことであると考えておられます。
 世界平和と文化・教育の交流のため、池田先生は今日までに50数カ国・地域を訪問され、各国の指導者や政治家、文化・学術界のリーダーと会見しております。そして、人類が直面する難題の解決方法について広く深く語り合い、対話しておられます。
 また、世界各地を訪問された折に詩情あふれる写真を撮られております。「生命の探求者」という鋭い目で、生命の美しさと尊厳をレンズに捉え、生命の躍動と永遠性を表現しておられます。
 池田先生の傑出した人類社会への貢献を表彰するために、私は雲林科技大学を代表し、この上ない尊敬と喜びをもって、本学の名誉学位を贈るものであります。これは、本学の授与規定に基づいて推薦し、学位審査委員会を通過したもので、ここに「名誉管理学博士」の学位を、世界的に著名な仏教哲学者であり、詩人であり、作家であり、世界平和の推進者であられる池田大作先生に、謹んで授与させていただきます。ありがとうございました(大拍手)。