君よ“大切な一生”を 勝ちゆく栄冠の人生たれ!


                      山本 伸一

人生は
生きねばならない。
幸福になっていくために
戦わねばならない。
笑いの歌と
愉快な曲で
生き生きと
価値を創造しゆく
人生であらねばならない。
ユゴーは叫んだ。
「ある者は活動せよ、
 ある者は論談せよ、
 すべての者は働けよ!
 然り、起て、
 すべての者よ!……
 剣を手にして
 戦わざる者よ、
 思想をもって戦え!」
何のための人生か。
何のための一生か。
その答えのために
無数の哲学者が出た。
無数の宗教家が活躍した。
そして
無数の政治家が奮闘してきた。
いな躍起になって
人間は
それを追い求め
迷い苦しんできた。
ある哲学者は言った。
「非難の屁理屈など
 言っている暇などない」
人間の歴史は
略奪と
私利私欲のための
殺人と殺害の歴史であった。
苛立って殺し合う
なんと愚昧な頭脳よ!
夜間の空襲を受け
泣きながら
四散していったあの夜を
私は今でも
忘れることはできない。
ある政治家は叫んだ。
「人間を虐殺しあう
 戦争など狂気だ。
 そしてあの恐ろしき
 残忍さは畜生以下だ」
傲慢な権力の魔性のために
同じ歴史を
絶対に繰り返させてはならない。
あの惨めな
逆巻き流れる
心悲しき暗い日々を
断じて
繰り返させてはならない。
国を治めゆく
為政者たちは
不逞にも
自分のみが偉いと思い
平等観を切り捨てた。
何と得々と
民衆を脾睨した
高慢なる名士よ!
正義の人が
受難の重荷を背負い
善良な市民のみが
腹を空かし藁布団に寝る。
かくの如き
苦痛の嘆きも
貧困の声も聞こえない
阿呆の名士よ!
民衆は
強烈な信念の炎を
燃やして
心の荒れた難破者と
戦うのだ!
そして
来るべき
苦闘の勝利の彼方に
君たちが求めた
唯一の正義の大道を
歩みゆくのだ!
人々は
勝利の歌を求めている。
人民は
人間の詩を歌いたいのだ。
君も
そして あなたも
人間としての王冠を
分かち合っているはずだ。
権力者だけが
偉いのではない。
民衆は
真実に生きる。
民衆は
幸福のために
智慧を持っている。
決して
権力者に圧倒され
騙されてはならない。
人間を斬りつける
無礼な政治家は
略奪者よりも悪い。
煌めく朝の光を
浴びながら
明るく楽しげに
人生の詩を歌いながら
わが身を
飾っていきたい。
満月は
光を広げながら
君を包む。
その夜の君の荘厳さよ!
大河のように
家々の門を走りながら
仲の良い
晴れやかにして輝く
音声をかけながら
平和と幸福と
生き抜く大法を
語り合う姿よ!
一対一の対話
一対一の指導
一対一の折伏
一対一の激励
一対一の人間愛
一対一の同志愛
一対一の心の結合!
一人の人間革命の力は
万人の心を
正義の波の如く
打ち返しゆくのだ。
あなたの気高い声は
この社会を
確かなものにしゆく
強く美しい
天使の声だ。
わが君よ
頑強な意志と勇気を
断じて忘れるな!
壮麗なわが一生を
飾りゆけ!
時代は流転する。
休むことなく流転する。
今日 勝ちたる者が
明日は滅びる。
今は苦闘であっても
必ずや胸を張り
勝利の旗を
高く掲げながら
溌刺と生きゆく君たれ!
君よ
沈んだ孤独な
放浪者になるな!
快楽のみを求めて
後悔する
無意味な彷徨いの
魂の人生になるな!
昂然と
戦い抜き
勝ち抜き
汝 自身の勝利の記念碑を
創るのだ!
人生の喜びも
苦痛も
絶え間なく
現れては消える。
今 君は
汝 自身の人生から
追放されてはならない。
誇り高き
大きな太陽のように
現れ光るのだ。
やがて
真っ赤に輝く
荘厳な夕日の如く
この一生を総仕上げして
三世の尊き生命の大地を
転(め)ぐりゆくのだ。
君の
身を引き裂いて戦った
情熱は
永遠であり
高尚な目的の勝利者として
賞讃されるであろう。
何を
恐れることがあるか。
人生は
幸福のためにあるのだ。
人生は
平和のためにあるのだ。
楽しむためにあるのだ。
苦しみ疲れ
奇異な断末魔を
迎えるような人生を
決して
送ってはならない。
あの
息も止まるような
青ざめた
闇の如き人生を
轉々とするな!
太陽が昇りゆく如く
燃え上がる
希望の人生を
生き抜くのだ!
重苦しい
何の香りもない
病的な
陰湿な生命の発散の
人生であっては
断じてならない。
楽しく生ききるのだ!
嬉しく戦いきるのだ!
その人生の楽しさと
人生の苦しさ――
その差し引きで
この一生の
勝ったか
負けたかが決まる。
人々から尊敬され
徳望 高い人生を
築きゆけ!
いかに
卑劣な敵があっても
忠実に
わが信念の誓いを
果たしゆくのだ。
後悔する人生を
生きるな!
退屈な
怠惰な人生を
生きるな!
すべての苦難は
汝 自身が
勝利の王者になりゆく
賜物であると感謝しながら
強く厳しく
鋭く生き抜くのだ。
いかに
悪意の暴論を
投げかけられても
いかに
非礼な言葉を
繰り返されても
絶対に妥協せず
平然と
自分自身の権利のままに
忠実に戦い
勝利しゆくのだ。
アメリカの教育者
ホレース・マンは叫んだ。
「印刷というものは、
 知識をひろめるために
 発明されている。
 しかし、
 中傷者は、それを、
 人を中傷せんがために
 利用するのである」
狂信の
心の迷いの人間には
そしてまた
ただ我利我欲に
果てしない人間には
いな また
生命の躁躍や侵害を
平気と思う輩には
絶対に
敢然と立ち向かい
悠然と
勝ち越えてゆくのだ!
虚偽の誹謗など何だ!
人間を踏みにじる
破壊者が何だ!
不遜な
人間主義を破壊する
魔物が何だ!
彼らは
心が飢えて
魂に悩まされながら
ただ後悔と
苦しみのみが残る
哀れな人間なのだ。
永遠に彼らは
生命の栄光を
受けることはない。
永劫に
彼らには
歓喜に舞う人生は
皆無なのだ。
我らは
自由と平和の闘士である。
君も私も
この地上で
勝利と幸福の
王者になるのだ。
インドの初代首相
ネルーは叫んだ。
「我々は目的を
 はっきりさせておく
 必要があります……
 敵がこの目的達成の
 邪魔をするから
 戦わねばならないのです。
 その為に敵を
 倒さねばなりません」
おお
君の力よ!
そして
君の勇気よ!
そこには
正義の王冠と宝剣が光る。
長い生涯を
誠実な勇気で戦った
君の前には
偽善者は倒れ
平和の王国の勇者たちは
列をなして
続々と進む。
おお
君は勝ちたり!
おお
君は勝ちたり!
大切な一生を
宝の栄冠で飾れり!
 二〇〇三年三月二十九日
 学会本部・師弟会館にて
      世界桂冠詩人