「栄光」と「勝利」 我らの五月三日を詠う

         池田 大作
晴れやかな
五月の三日!
意義深き
我らの五月の三日!
再びの勝利の行進へ
旅立ちの五月の三日!
天は晴れ
地も晴れ
我らの心も晴ればれと
勝利と栄光の
勇敢なる五月三日!
我らは
真剣で勝った!
我らは
使命と目的のために
走り 勝った!
我らは
汗だくになって歩いた。
我らは
島国根性を叩き直しながら
叫んだ。
我らは
庶民のために戦った。
そして勝った!
皆が勝った!
正義と歓喜の勝利であった!
我らの勝利は
自分の勝利ではなくして
平和のための勝利だ。
一人々の正義のための勝利だ。
そしてまた
人生の充実と
人生の新しい門出の勝利だ。
この勝利の先には
幸福の道
平和の道
正義の道が
広々と続いている。
その彼方には
歓喜の歌声と
祝福の舞踏が!
人間讃歌の交響楽が
奏でられている。
喜び勇んだ群衆から
人間 万歳!
人生 万歳!
平和の連帯 万歳!
邪悪と陰謀の打倒 万歳!
虚偽と嫉妬の
魔性の全滅 万歳!
おお
あの声が
いつまでも いつまでも
限りなく 際限なく
聞こえてくる。
人民ほど
強いものはない!
民衆ほど
強いものはない!
人類が永遠に
待望する世界平和へ
我らは広宣流布のために生まれ
永遠に戦っていく。
広宣流布とは
仏法を基調とした
人類不滅の平和のことである。
この建設に燃え立つ人は
最も尊いのだ。
勝利の栄冠をかぶった
人間としての王者なのだ。
来る朝も 来る朝も
気高い魂を光輝させながら
荒々しい炎に燃えんとする
複雑な現実の社会に戦い進む
使命に生きる人間の王者よ!
名聞名利の王冠で
飾らなくとも
胸に高まる平和への革命の
尊き決意の額は
中天の太陽とともに
美しく光る。
夕日が輝くころに
使命の王者は
炎のような勢いで
誇り高く羽搏き始める。
やがて夜が来た。
多くの人々が
暗闇の中で泣いている。
いな 心細く
人生の前途を
侘しき姿で漂っている。
人生の最極の目的を忘れた
確信なき 欲望の虜になった
あの姿よ。
暗黒のごとく
廃墟となった生命の
浅ましさよ。
そして自信がなくなり
粉々になった不幸の行為よ。
我らは
魂から響きわたる
美しき歌を歌いながら
敢然と
彼らを抱きかかえるために
走りゆくのだ!
果てしなき
我らの道の前途は
太陽の光に満ち
勝利の歌声に充ちている。
我らは叫ぶ
永遠の勝利を!
永遠の栄光を!
そして
わが同志の幸福を!
我らには
粘り強き先駆者としての
魂が光る。
暗い不満の種など
誰も持たない。
今日も高らかに
生き生きと正義のために
心臓が鼓動する嬉しさよ!
世界的 大教育者
ペスタロッチは叫んだ。
「歴史上
 最も重大な出来事とは
 常に
 不可能と思われていたことの
 達成であった。
 時代精神のうねりを
 とどめようとするのは
 無益であり
 善の意志による究極の力を
 押しとどめることは
 さらにできない」
五月の三日!
おお
五月の三日の太陽は
美しかった。
限りなく輝いていた。
その太陽は
あらゆる地上にも
あらゆる上天にも
光り輝いている。
わが師・戸田城聖先生が
第二代会長に就任されたのは
晴れわたる
昭和二十六年の
五月三日のことであった。
そして私が
第三代会長に就任したのも
また 晴れわたる
昭和三十五年の
五月三日のことであった。
幾度となく
この五月三日に
広宣流布
出発の意義をこめて
記念の総会が行われてきた。
御聖訓には仰せである。
「此法門を日蓮申す故に
 忠言耳に逆う道理なるが故に
 流罪せられ
 命にも及びしなり、
 然どもいまだこりず候」
我らは
正義の行進であるゆえに
嫉妬と邪悪の嵐を
幾度となく乗り越えてきた。
そして陰湿にして卑怯な
無数の中傷にも
すべて打ち勝ってきた。
ある哲学者が言った。
「卑劣な作り話など
 信用するのは
 愚者の中の愚者である」
嫉妬深く
人を陥れんが為に
悪意の作り話をばらまくのは
最低卑劣の小才子である。
ある教育者が語った。
「嫉妬に狂って
 陰湿の策文を作りながら
 偉大なる人を
 陥れようとする人間は
 最低の頭脳である。
 いや 心の殺人者とも
 言うべきだ」
天の使命を持つ
そして未来の運命を担いゆく
我らには
美しき華やかな
誉れも高き諸天の善神が
皆 厳護している。
この永遠に輝きわたる
栄光の勝利は
己の太陽とともに
不変である。
正義の我らを迫害した
三障四魔の輩は
厳しき怒りの稲妻を受け
泥まみれになりながら
彼方へ逃げていった。
人間の権利を奪い
狂気のごとく
横柄にして傲慢な
あの鎖に繋がれて苦しむ
畜生界のような
三類の輩よ。
彼らは殺伐な怪物のごとく
暗闇の底へ消え去っていった。
その現実の姿を見ていた
夢のような天空には
ほほえみながら
月天子が
爽やかに輝いていた。
真実を壊す人間よ!
信義を打ち破る人間よ!
悪徳の限りを尽くす人間よ!
嘘をばらまく
黒い舌を持つ人間たちよ!
楽聖べートーベンは言った。
「われわれの時代には、
 こうした卑しくて陰険な
 あわれな魂の人間たちを
 激しく批判する、
 力強い精神が必要だ」
我らは
皆 知っている。
我らには
笑いの歌が
高らかに響いてくる。
太陽の光は
胸を躍らせながら
我らを包む。
あの歓喜の波濤は
爽やかに
我らに愉快な音楽を
贈ってくれる。
そこには
歌と和楽の星が
微笑している。
我らは
心ゆくばかり愉しんで
勝ったのだ。
最大の勝利をもって
人生を生き抜いているのだ。
我らには
悲しむ余裕などない。
人の噂話など問題ではない。
歓呼する
勝利と栄光の歌声の合唱が
毎日 続いてゆくのだ。
そして
いかなる新しき戦いにも
我らは
恐れることを知らない。
新しい喇叭が
喜び勇んで鳴りわたっている。
胸の奥の勝利の
生命の芳香を
同志と共に分け合いゆくのだ。
我らは正義の剣だ。
我らは正義の炎だ。
あの悪魔などには
断じて負けない。
我らの勝利と栄誉は
永遠に衰えることはないのだ。
陰険な彼らは
地獄の責め苦にあう人間だ。
狂いに狂った
おまえの目だけが
悪意に満ちた
おまえの心だけが
勝手気ままに
暗闇の中から出てきて
多くの正義の人を
苦しめているのだ。
盗むだけの人間よ!
嘘つくだけの人間よ!
悪巧みだけしか知らぬ人間よ!
人間を激しく憎む人間よ!
詩聖タゴールは訴えた。
「意志強固な
 勇気ある人たちが
 数多く必要である――
 これでもか、これでもかと
 不正をあばき、
 生命を賭して
 不正を実証する人たちが」
おお
過ぎゆく長い年月をば
苦しめた残酷な魔性を
我らは
快活に打倒した
彼らの彷徨い歩く
惨めな姿を
明るい月の光の彼方に
我らは見た。
現実のこの地球は
重々しい恐怖に震えゆく
無数の足音が
聞こえてくるようだ。
その足跡には
涙の粒を
数え上げることができない。
残酷な
この世の人間の葛藤は
火と燃えるように
いつになっても消えない。
その目は荒々しく
残忍な殺意さえ持って
戦争は尽きない。
この我ら人類の
消すことのできない
恐ろしき事件の
永劫につきまとう
人間の業は
これまた尽きることはない。
いったい人間界というのは
未来永遠に
どこに行くつもりなのか。
輝く天から
賢明な天使たちは
その人間の醜い実像を
いつも見つめている。
御義口伝には
法華経を信仰せば
 天下安全たらむ事
 疑 有る可からざるなり」と
説かれている。
さらにまた御聖訓には
「大悪をこれば
 大善きたる、
 すでに大謗法・国にあり
 大正法
 必ず ひろまるべし」と仰せである。
人類の宿命転換のために
世界の恒久平和のために
断固として
広宣流布するしかない。
いな 今こそ
広宣流布の時である。
使命を深く知って
生き抜く人は
人間としての
栄光の人だ。
やきもち焼きの
奴隷になるな!
悲しく暗闇の中を彷徨いゆく
敗残者になるな!
あの 皆から
嘲り笑われゆく
野卑な人生を送るな!
我らは
勝利の華やかな旗を
振りゆくのだ!
そこには
高貴な生命讃歌が
そして強烈な
すべての人々が
最敬礼しゆく
無限の喜びの
生命があるのだ!
自身の戦いに
香りを吸い込む
君の青春の舞台には
無限の悔いなき
道が広がる。
愚かな道は行くまい。
悲しき道も行くまい。
暗澹たる道も行くまい。
自分の心で選びに選んだ
この正道を
自己の魂と対話しながら
思慮深く進むのだ。
そして断じて
君は勝つのだ。
わが腕の中に
じっと使命と平和を
包みゆくのだ。
君の行く手には
幾重にも山の坂道を
越えねばならない時もある。
暗い夜道を
夜明けの赤い空を待ちながら
疲れながら
歩む時もあるだろう。
しかし
君は決して負けない。
人生の凱旋王として
君は
君の使命を持って
歩みゆくからだ。
君よ!
恐れることなく
君の前途の旅路の
若い喜びとともに
君が果たさなければならぬ
確かな使命のために
颯爽と戦い抜き
勝ち進みゆくのだ。
わが君よ!
多くの同志とともに
あの桜の花盛りを見つめ
語りゆけ!
芝生の上で休みながら
戦いの新しい呼吸を
吸いたまえ!
頭を上げ
胸を張り
青春の並木道を
悠然と
湧き上がる使命を持って
希望の風に包まれながら
栄誉ある道を進みゆくのだ。
天空の玉座から
太陽も 月天子も
そして
無数の星のほほえみが!
我らの生命の一念は
宇宙の広大無辺と
連結していくのだ。
未来の運命は
我らのものだ。
昂然と大声を上げながら
勝ち進むのだ!
来る日も 来る日も
胸を躍らせながら
高くまた高く
勝利の誉れの
指揮を執りながら!
おお
五月三日よ!
栄光の
我らの五月三日よ!
おお
偉大なる
一千万のわが友よ!
そして
わが広布に戦う
創価の英雄よ!
共々に
晴ればれと
五月の三日の
我らの勝利の行進を!
我らの五月三日は
永遠なり!
 心から尊敬する
 一千万のわが同志に合掌
二〇〇三年四月二十八日
立宗七百五十周年の朝を祝して
       世界桂冠詩人