神奈川最高協議会 (上)


◆◆◆神奈川から対話の大波! 
【御聖訓】「一字一句でも唱え 人に語っていく者は 仏の使い」

◆◆リーダーが動き、語り、歴史をつくれ! 

「勇気」「忍耐」「智慧」で進め


 一、あこがれの青き大海原が広がる、ここ神奈川文化会館を久方ぶりに訪問
させていただいた。
 きょう(18日)の「創立記念日」を荘厳するかのように、黄金のイチョウ
並木も美しい。
 役員の方をはじめ、お世話になる皆さま方に、心から感謝申し上げたい(大
拍手)。
 神奈川は、わが青春の広宣流布の思い出がちりばめられている。
 あの地にも、また、この地にも、懐かしい、宝の同志の皆さんがいらっしゃ
る。
 神奈川は、世界が見つめる模範の天地である。歴史が光り、自然が輝き、未
来は洋々と開かれている。
 神奈川は、まだまだ伸びていく。可能性は無限大である。
 「拡大の神奈川」「強靱な神奈川」、そして、勝利また勝利の「戦う神奈川」
の大建設へ、ともどもに心を合わせて出発してまいりたい。
 ともあれ、神奈川の皆さまの異体同心の大勝利に、全国の同志が大喝采を贈
っている。
 「本当に、おめでとう! ご苦労さまでした! 」と心から祝福申し上げた
い(大拍手)。

■嫉妬の悪口に振り回されるな
 一、ここ神奈川にゆかりの深い文豪・夏目漱石は言った。
 「えらい人を馬鹿にする程馬鹿なことはない。後世の人はどうしてそんな愚
なことをしたかと怪しむ」(岩波書店漱石全集』所収、明治39年の「断片」。
カタカナはひらがな表記に改めた)
 さすがは漱石である。
 愚かな嫉妬の誹謗をすることは、自分の恥を後世に残すだけである。
 「あらゆることの中で最も不正なものは嫉妬である」(川崎義和訳)とは、
古代ギリシャの格言である。
 嫉妬の悪口などに、振り回されることが、いかに愚昧(ぐまい)であるか。
 だからこそ、古代ギリシャの作家プルタークの『英雄伝』は、「侮辱に心を
動かさるる者のみが真に侮辱せられた者である」(鶴見祐輔訳)と喝破(かっ
ぱ)している。

 一、日蓮大聖人は、神奈川の友の大先輩である四条金吾に対して仰せになら
れた。
 「賢人は八風と申して八のかぜにをかされぬを賢人と申すなり、利(うるお
い)・衰(おとろえ)・毀(やぶれ)・誉(ほまれ)・称(たたえ)・譏(そ
しり)・苦(くるしみ)・楽(たのしみ)なり」「此の八風にをかされぬ人を
ば必ず天はまほらせ給うなり」(御書1151ページ)
 わが学会は、「八風」に侵されぬ賢人の道を、どこまでも歩み通してきた。
だからこそ、諸天から守られたのである。
 一愚人に憎まれたるは第一の光栄なり」「大聖にほむらるるは、一生の名誉
なり」――これが、我らの創立の父・牧口先生、そして戸田先生の教えである。

 一、皆さまは、広宣流布の大将軍である。
 ゆえに、ひとたび、戦いを起こしたならば、断じて勝たねばならない。勝っ
広宣流布の偉大な歴史を残すことだ。
 人ではない。自分である。リーダー自身が、どれだけ真剣に行動したか。自
分の壁を破ったか。広布の地盤を拡大したか。味方をつくったか。
 指導者の心に、「私が戦う! 」という情熱がなければ、勝利の勢いは生ま
れない。すべては、この一点から出発するのである。

 一、,「幸福とは何か。それは、過去を『満足』をもって振り返ることがで
き、そして未来を『希望』をもって見つめることができることである」
 著名なタイの大思想家ワーターカーンの言葉である。
 この創立73周年の11月18日を、全同志とともに、戦い勝ち抜いた「満
足」にあふれ、そして限りない前進への「希望」に燃えて、飾ることができた。
 けさは、諸天も寿(ことほ)ぎ、見事な快晴に包まれた。大聖人が大法戦を
刻まれた神奈川で、晴れわたる「創立の日」を祝し合うことができ、これほど
の喜びはない(大拍手)。
 イギリスの宰相チャーチルは言った。
 「史上の大闘争はすべて、分の悪いのを物ともせずに、または間一髪のとこ
ろで勝利を奪取するすぐれた意思力をもつ側の勝ちに帰した」(『第二次大戦
回顧録毎日新聞社
 広宣流布の歴史に永遠に輝きわたる、大神奈川の大勝利、まことに、おめで
とう! 
 神奈川の誉れの同志は、よくぞ戦い、よくぞ勝った。
 ここ神奈川で、四条金吾夫妻は、陰険な讒言(ざんげん)による圧迫をはね
返して、堂々たる勝利を示した。
 それは、鎌倉中から"天晴れ! 天晴れ! "と謳(うた)われた。
 大聖人は、その晴れ姿を讃えられて、「何よりも、お聞きして、爽快である」
「うれしさは言葉にしようがないほどである」(御書1175ページ、通解)
と仰せになった。
 この御文は、そのまま、わが神奈川の栄光の同志への御言葉であると思えて
ならない。皆さまの大福徳は、計り知れない(大拍手)。


◆◆【学会創立73周年】 
   天晴れ! 地晴れ! 心晴れ! 
   団結の勝利 おめでとう! 

■勝負の決め手は
 一、「戦勝への第一歩は、疑いもなく勇気を振い起こすことにある」(鶴見
祐輔訳)
 「他の点が同様である人々の間では、勇気の優れた方が勝を占める」(河野
与一訳)
 これは、プルタークの分析である。
 いかなる戦いであれ、激戦を制するものは、常に「勇気」において勝った側
である。
 わが神奈川も「勇気」で勝った。
 第一に「勇気」である。
 第二に「忍耐」である。
 第三に「智慧」である。
 勝負を決するのは、この3点である。
 そしてまた、「神奈川は一つ」という「団結」で勝った。
 なかんずく、素晴らしき神奈川婦人部の大健闘を、最大に讃嘆(さんたん)
申し上げたい(大拍手)。

 一、この一年――神奈川は、すべてに完勝した。
 聖教新聞の拡大においては、日本全国の模範となる健闘をされている。
 新聞長の皆さま方をはじめ、尊きご尽力に心から感謝申し上げたい。
 また、「教宣(きょうせん)部」の正義の言論戦も見事である。

■尊き未来部の育成に全力! 
 一、「未来部」の育成においても、全国の模範となる取り組みを、たゆみな
く続けてくださっている。
 創価学園創価大学等への受験生に対する激励も、創価同窓のリーダーが中
心となって、全県を 近年、大きな勝利の原動力となった「ヤング男子部」も、
ここ神奈川青年部から誕生した。
 さらに青年部から、壮年部、婦人部への人材の流れも素晴らしい。
 その一つの象徴として、高梨総神奈川長とともに、各総県の総県長のうち、
5人が神奈川の「青年部長」の経験者である。
 どの角度から見ても、神奈川は、21世紀の広宣流布の最重要の大拠点であ
る。私も、一段と神奈川に力を入れていく決心である。

◆◆逆境が人間を偉大にする
【インドの大哲学者】大聖人の「立正安国」の闘争がインドの自由の闘志を鼓


■「立正安国論」の御書講義を
 一、私は若き日から数え切れぬほど、ここ神奈川で、広宣流布の転戦(てん
せん)を重ねてきた。
 昭和28年(1953年)、鶴見市場に足を運び「立正安国論」の講義をし
たことも懐かしい。今年で、ちょうど50年となる。
 「悪侶を誡(いまし)めずんば豈(あに)善事(ぜんじ)を成さんや」(御
書21ページ)
 この「立正安国論」の精神をめぐっては、「精神の大国」インドを代表する
大哲学者ロケッシュ・チャンドラ博士とも語り合った。
 博士と私は、対談集『東洋の哲学を語る』(第三文明社)を発刊している。
 この仏教発祥の地の大哲人も、「民衆を裏切った悪侶は、最大の反仏教者で
す」と、鋭く論じておられた。
 博士の父君であるラグヴィラ博士は、マハトマ・ガンジーと共に戦ったイン
ド独立の闘士であり、世界的な言語学者であった。
 ガンジーは、道場での祈りに「南無妙法蓮華経」の題目を取り入れていた。
父君はガンジー法華経の深き意義を説明したのである。

 一、ロケッシュ・チャンドラ博士は言われた。
 「父の高らかな声が響いてきます。
 『我日本の柱とならむ我日本の眼目とならむ我日本の大船とならむ』(御書
232ページ)
 父はこの大聖人の言葉に自身を重ねていました。インドに対する同じ使命を
わきあがらせていたのです」
 「父にとって、大聖人は、『人間が逆境のなかで示す偉大さの模範』でした。
『生命に具わる清らかさと栄光を象徴する人物』だったのです。
 大聖人は、父にとって、すべてを支える根本であり、勇気そのものであり、
力をわき立たせてくれる存在でした」

 一、さらに博士は、優れた思想を根本に理想の社会を築いていくという「立
正安国」の考え方が、「インドの自由を勝ち取る戦いに与えた意義は深い」と
も強調されていた。
 博士は言われた。
 「大聖人は両手(もろて)を広げて、私たちに訴えています。
 人間性を踏みにじるような逆境にあってこそ、人間は身に秘められた超越的
な境地を開き顕せる。生きよ、啓発しあえ、創造せよ、一人ひとりの内に眠る
力を目覚めさせよ、そして、さまざまな彩りの光で世界を照らせ――と」
 そして、この大聖人の御精神のまま、世界の平和と人類の幸福のために行動
しゆく創価学会に、限りない期待を寄せておられるのである。
 博士も、今回の大勝利の創立記念日を、最大に祝福しでくださっているお一
人である。
■慈悲の祈りで
 一、神奈川の青年部は意気軒高に「立正安国の対話」を進めている。
 大聖人は、四条金吾に、こうも仰せである。
 「法華経を一字一句でも唱え、また人にも語っていく人は、教主釈尊の御使
いである。そうであれば、日蓮は、賎(いや)しい身ではあるが、教主釈尊
ら勅令(ちょくれい)をいただいて、この国に生まれてきたのである。この日
蓮を一言でも誹謗する人々は、無間地獄の因を積んでいるのであり、逆に、一
字一句でも供養する人は、無数の仏を供養することにも過ぎる大福徳を積むの
である」(御書1121ページ、通解)と。
 皆さんが語った分だけ、仏縁は広がる。正義は広がる。
 声が力である。言葉が武器である。
 そして、「なんとか仏縁に触れさせたい」「幸福の道を歩んでもらいたい」
との慈悲の祈りがある限り、私たちの言葉は必ず響いていく。すぐに結果は出
なくとも、相手の心に深く浸透していくものだ。
 ドイツの平和運動家が、劇作家ブレヒトの有名な言葉を借りて、こう述べて
いる。
 「もう一回言っておけばよかったと後で後悔しないように、何千回も言われ
尽くしたようなことでももう一度言わねばならない」(ティル・バスティア
著『アウシュヴィッツと〈アウシュヴィッツの嘘〉』石田勇治・星乃治彦・芝
野由和訳、白水社
 自信に満ち満ちて、「希望の対話」「勇気の対話」「確信の対話」「友情の
対話」「励まし
の対話」を大いに広げていっていただきたい。

■励ましの太陽 神奈川婦人部
 一、「励ましの太陽」の存在である神奈川婦人部は、来月5日、「創価完勝
の年」の開幕を記念する幹部会を、全国に先駆けて行う。さらに明年1月には、
グループ単位で晴れやかに婦人部総会が開かれる。そして明
春、女子部とともに「平和の文化と女性」展も開催される予定である。
 私たちSGIと深く交流を結んでいる、ノーベル平和賞受賞者のウイリアム
ズ女史は語った。
 「平和は自分から始まる。真実を明快に語ろう」
 大切な婦人部の皆さま方を、最大に応援してまいりたい。

■誠実さと根気で同志を守り抜け
 一、ここ神奈川文化会一館から見つめる海は、世界につながっている。
 太平洋で結ばれた、南米チリ共和国民主化を実現した哲人指導者エイルウ
ィン元大統領とも、私は対談集『太平洋の旭日』(河出書房新社)を発刊した。
 高潔な大統領は、語っておられた。
 「(政治家は)"奉仕するための存在"で"奉仕される立場"にはないのです」
 「権力は(民衆に)奉仕するための単なる『道具』でなければいけません」
 「わたしにとって、必要とされたことは、あらゆる人々に敬意をもって接し、
あらゆる人に真実を――誰にとっても同じ真実のみを話す誠実さと根気でした。
だからこそ私を信用してくださり、好意をもって、私が必要とした合意に至る
よう、皆が努力してくださったのだと思います」
 誠実なリーダーが、最後は勝利する。号令だけ、口先だけで、自分は苦労し
ない。動かない。そんな幹部のもとに団結が生まれるはずがない。
 自ら一兵卒として、泥まみれになって働くことだ。広宣流布へ懸命に行動し
ている同志を尊敬し、守り抜くことだ。それがリーダーの責務である。

■傲慢(ごうまん)は滅亡する
 一、古代ギリシャの格言には、「余りにも傲慢な者は数々の禍いが破滅に陥
れる」(川崎義和訳)と。
 「傲慢」は、許してはならない。「傲慢」に、負けてもならない。
 古代ギリシャの格言には「愚か者よ、苦労を重ねた者たちが得たものを/苦
労をしなかった者たちがぬくぬくと獲得することはできないのだ」(逸身喜一
郎・戸部順一訳)ともある。
 まったく、その通りである。そうでなければ、正義の社会は築けない。
 善良なわが同志が、苦労に苦労を重ねてつくりあげてきた城を、だれ人にも
断じて壊させてはならない。

 一、神奈川では、明年の2月の座談会を、神奈川文化会館の「落成25周年
記念座談会」として、盛大に行っていく。
 この参加者の尊きお名前を、一人も残らず、アメリ創価大学に永久保管す
ることを、私は提案申し上げたい(大拍手)。
 さらに春4月には、「相模原中央文化会館」と「港南文化会館」も誕生する
予定である。
 我らの未来は、希望に満ち満ちている。

 一、結びに、大思想家ルソーの『エミール』の一文を贈りたい。
 「心をひらかなければ相手の心もいつまでも閉ざされている」(今野一雄訳)
 心を大きく開き、平和と人道と正義の大連帯を、朗らかにまた朗らかに、強
くまた強く、結び広げてまいりたい。
 ルソーは、こうも言った。
 「徳とは強い魂だけが持つ」(小西嘉幸訳)
 愛する神奈川の天地に、「難攻不落の人材城」「金剛不壊(こんごうふえ)
の大法城」、そして「確固不動の常勝城」を、さらに盤石に築き上げていくこ
とを約束し合って、私のスピーチとしたい。
 どうか、尊き一生を、見事に総仕上げしていただきたい。
 荘厳なる夕日の如く! 
 友に勇気と希望の光を贈りながら! 
 急遽(きゅうきょ)の訪問のため、お会いできなかった神奈川の全同志に、
どうか、くれぐれも、よろしくお伝えください。きょうは本当に、ありがとう! 
また、お会いしましよう! (大拍手)

(2003・11・18)