各部代表協議会



◆◆◆ 創価人間主義を世界が讃歎

―― 伝統の婦人部総会で広げよう!

      [幸福]と[友情]の[安全地帯]を ――

【名誉会長のスピーチ】

―***―

 各部代表協議会が28日、東京・新宿区の信濃文化センターで行われ、池田

名誉会長、秋谷会長が青木理事長、婦人部・女子部の代表、SGI(創価学会

インタナショナル)公認通訳会議の代表らと出席。名誉会長がスピーチした。

―***―

 一、年の瀬の慌(あわ)ただしいなかを、集まってくださり、本当にありが

とう。

 初めに、この席をお借りして、今回のインドネシアスマトラ島沖の大地震

と大津波による未曽有(みぞう)の被害に対し、心からお見舞い申し上げます。

 私も、今回の災害で、尊い命を失われた犠牲者の方々を追善し、真剣に題目

をあげさせていただいております。

 関係者の皆さま方に謹んで哀悼(あいとう)の意を表します。

 さらに、現在、懸命に進められている救援活動が進展し、一人でも多くの方

が救助されることを、ともどもに深く祈ってまいりたい。

 一、私の胸には、いつも、恩師・戸田先生の姿がある。

 先生と語り、未来を展望した、一つ一つの場面を、私は生涯、忘れることが

できない。

 戦後、先生の事業は苦境に陥(おちい)った。私は全精力を注(そそ)いで、

一切の矢面(やおもて)に立って道を開いた。

 私は肺病を患(わずら)い、医者から"30までは生きられない"と言われ

た。

 戸田先生は、「大作は長く生きられない」と、人目もはばからず落涙(らく

るい)されたともうかがった。

 広宣流布へ戦う師弟は壮絶なものである。これは何百回、何千回言っても、

言葉だけでは表現しきれない。

 師とともに!

 広宣流布のために!

 ここに心を定め、ひとすじに生き抜いてこそ、自分自身の最高の力が輝いて

いく。永遠の勝利の記念碑を打ち立てることができる。

 どうか一人ひとりが、誉(ほま)れある平和と文化の旗手として、わが使命

の舞台で、勝って勝って勝ちまくっていただきたい。

◆〈戸田先生の指導〉

   今年よりも来年! いよいよ信心強盛に仏にほめられる境涯たれ

■勝(すぐ)れた志に無量の功徳が

 一、日本列島をはじめ、世界190力国・地域の、広宣流布に邁進(まいし

ん)されゆく尊き全同志の1年間のご健闘を、私は心から讃嘆申し上げたい(大

拍手)。

 この1年、皆さま方のおかげで、見事な「勝利また勝利」の1年を飾ること

ができた。

 有名な「異体同心事(いたいどうしんじ)」の一節には「あなたは、長年に

わたって法華経への奉公を厚くされてきたうえ、このたびはまことに勝れた御

志(おこころざし)が見られると、人々も言っています。また、彼らも言って

います。一つ一つ、私が承(うけたまわ)って、日天(にってん=諸天善神の

一つである)にも天照大神にも申し上げています」 (御書1463頁、

通解)と仰せである。

 日蓮大聖人は、強き信心をもって広宣流布に行動した人のことを、すべて知

ってくださっている。

 わが生命に、そしてまた、わが一家眷属(けんぞく)に、無量無辺の大功徳

を積みゆく1年となったことを、晴れ晴れと確信していただきたい。

 かつて戸田先生は、一年の締めくくりにあたり、同志をねぎらいながら言わ

れた。

 「顧(かえり)みると、今年は遺憾(いかん)がなかっただろうと思います。

来年も同じく、自分たちの信仰のうえにたって、来年の目標を完遂(かんすい)

して、たえず、凡夫にほめられるのではなくて、仏さまにほめられる境涯にな

ろうではありませんか」

 そして新年にあたり、こう書き綴られている。

 「『一生空(むな)しく過して万歳(ばんさい)悔(く)ゆること勿(なか)

れ』のご聖訓を日夜誦(じゅ)して、きょうよりも明日、今月よりも来月、こ

としよりも来年と、いよいよ信心強盛に励むことが、一年の計の基本であり、

一生の計の根本となるのだ」

 私どもは、妙法という宇宙と生命の最極のリズムにのっとりながら、新しい

1年を颯爽(さっそう)と出発してまいりたい(大拍手)。

◆◆ この一年で〔海外出版〕は54点

    〔名誉博士・名誉教授〕は19点

    〔名誉市民〕は38〔顕照〕は130

■あの国この国に「行学(ぎょうがく)の英雄」

 一、明年の1月26日で、わがSGIは、記念すべき発足30周年の佳節(か

せつ)を迎える。

 本日は、SGI公認通訳の代表の方々も参加されている。いつも、本当にあ

りがとう!(大拍手)

 本年も、皆さま方をはじめ、多くの関係者のご尽力をいただいて、各言語で

の出版活動が推進された。

 この11月18日には、「御義口伝(おんぎくでん)」の英語版が発刊され

た。

 日蓮仏法の真髄の法門を学ぶSGIの友が、どれほど偉大な世界広宣流布

「行学の英雄」と育ちゆくことか。私の心は躍る。

 私の著作や対談集の外国語版も、今年だけで54点が新たに発刊された。

 現在、私の著作は、世界の34言語で出版されていると、うかがっている。

 各国での発刊にご尽力くださった皆さま方に、深く感謝申し上げたい(大拍

手)。

 皆さまのおかげで、私たちの思想と運動に寄せられる共感と理解は、一段と

大きく、深く、広がってきた。

 創価人間主義の前進を世界の知性が讃嘆する時代が、本格的に到来してい

る。

 〈池田名誉会長が受章した、世界の大学・学術機関からの名誉博士・名誉教

授などの学術称号は、この1年で19にのぼる(累計で168)。

 世界の各都市からの名誉市民称号は、本年1年で38(累計は376)。

 そのほか、国家や議会、大学や各種機関から、本年、海外からだけで130

の顕彰が贈られている〉

■「学会が新たな人間共同体を」

 一、これまで何度も拝してきた通り、「立正安国論」では「仁王経(にんの

うきょう)」の文を引かれ、「国土乱れん時は先ず鬼神(きじん)乱る鬼神乱

るるが故に万民(ばんみん)乱る」(御書31頁)と記されている。

 鬼神とは、目に見えない超人的な威力や働きをもつものを指す。現代的に言

えば、思想も、その一つと言えよう。

 思想の乱れが、人々の生命を蝕(むしば)み、意識や思考を歪(ゆが)め、

それが、社会の混乱をもたらす原因となっていく。

 仏法の深き英知は、社会の乱れの源(みなもと)を、思想による人間生命の

乱れに見たのである。

 大聖人は、法華経の文に即(そく)しながら、こう仰せである。 

 「このような闘諍堅固(とうじょうけんご)の時は、法華経以外の教えは力

を失い、法華経の大良薬をもって、この大難を治(じ)すべきである」(同5

50頁、通解)

 「現世安穏・後生善処(げんせあんのん・ごしょうぜんしょ)の大利益のあ

るこの大白法(だいびゃくほう=法華経)を信じて、国土に弘められるならば、

万国の人にその身を仰がれ、後(のち)の代(よ)に賢人の名を残されること

になろう」(同)

 濁悪(じょくあく)の社会で広宣流布の行動を貫いている学会員の皆さま方

もまた、最高に崇高な使命をもった、末代まで仰がれゆく栄光の賢者である。

 人間が人間らしく生き抜いていくために、正しき哲学、正しき行動、正しき

連帯が、今ほど求められている時はない。

 宗教社会学の権威であったオックスフォード大学のウィルソン名誉教授も、

創価学会は、非人間的な傾向が強まる現代社会において、新たな人間共同体

を生み出している」と評価し、期待してくださっていた。

■女性こそ「平和の文化の建設者」

 一、明年も年頭から、全国各地の幾十万の会場で、婦人部総会が開催される。

 わが婦人部の集いこそ、暗い混迷の時代にあって、「人間性のオアシス」で

あり、「希望と平和の花園」であり、「幸福と友情の安全地帯」である。私も、

妻とともに、大成功を祈りに祈っている。

 月刊誌「パンプキン」で連載を行ってきた、アメリカの"平和研究の母"ボ

ールディング博士との対談が、明春で終了する。

 連載を終えるにあたり、博士は、私との対談を大変に喜んでくださり、次の

ような言葉を寄せてくださった。

 「対話を通して相互の考え方に耳を傾けることは、大きな喜びを与えてくれ

ます。なぜなら、それによって、互いの思想を深化(しんか)させていくこと

ができるからです」

 「平和の文化といっても、それは異なる世界を受容(じゅよう)することか

ら始まるのです。私は、そのことに人生をかけてこられた池田会長に、深い感

銘を覚えます」と。

 私への評価はともあれ、「平和の文化」の担い手として、地域に喜びの対話

を広げているのが、婦人部・女子部の皆さま方である。

 創価の女性の連帯に寄せる博士の信頼は、まことに深い。

 「女性の力は本当に偉大です。そう、"爆発的に偉大"なのです! もっとも

っと多くの女性が、自分たちこそ『平和の文化』の建設者であると目覚めてい

くことは間違いありません!」

 こう博士は、語っておられた。

 私は、「女性の世紀」の先頭に立つ「世界一の婦人部・女子部」の皆さまに、

「1年間、本当にご苦労さまでした。明年も、万事(ばんじ)、よろしくお願

いします」と申し上げたい(大拍手)。

◆〈チャップリン〉「勝利は確実! 『戦う心』があれば」

◆〈シラーの「歓喜の歌」〉 欺瞞(ぎまん)の輩(やから)には没落を!

■「歓喜の歌」を生んだ楽聖(がくせい)の魂

 一、おかげさまで、わが創価学園生、創価大学生、女子短大生、アメリカ創

価大学生たちも、はつらつと伸び、育っている。

 先日は、東西の創価学園で、1年の掉尾(とうび)を飾る伝統の音楽祭が、

盛大に開催された。

 そのフィナーレで響きわたったのはベートーヴェン作曲「交響曲第九番」の

歓喜の歌」の調べであった。

 また、本年5月に行われた、アメリ創価大学オレンジ郡キャンパスの「イ

ンターナショナル、・フェスティバル」でも、学生たちが「歓喜の歌」を演奏

し、合唱したとうかがっている。

 今や世界中で愛され、人類の宝と仰がれるべートーヴェンが、生前、卑劣な

誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)を受け続けたことは、意外と知られていない

かもしれない。

 「このヴィーンで人身攻撃をする敵を小生(しょうせい)ほど持っているも

のはない」(小松雄一郎訳『べートーヴェンの手紙』岩波文庫)と彼は記して

いる。

 しかし、精神の王者たるベートーヴェンは毅然(きぜん)としていた。

 彼はまた、「ぶよ(昆虫の一種)が刺した位では疾駆(しっく)している馬

を停められはしない」(片山敏彦訳『ベートーヴェンの生涯』岩波文庫)との、

フランスの哲人ヴォルテールの言葉を書きとどめている。

 ベートーヴェンが、ゲーテの文学を心の糧(かて)とし、深い敬愛を捧げて

いたことは有名である。

 1819年、ある来訪者が、べートーヴェンの面前で、ゲーテに対する中傷

を始めた。ベートーヴェンは激怒し、即座に猛然と抗議した。相手は謝り、自

分の間違いを訂正したという。

 "自分の敬愛する人を侮辱(ぶじょく)されて、黙ってなどいられる

か!"―― 沈黙は、敗北につながる。真の英雄には、臆病な沈黙などないので

ある。

 かつて日顕宗は、このベートーヴェンの「歓喜の歌」を歌うのは、「外道礼

讃(げどうらいさん)」であり謗法(ほうぼう)であると、愚かな言いがかり

をつけてきた。

 世界の文化人、学識者も呆れ果てる暴論であった。

 「歓喜の歌」は、シラーの詩がもとになっている。その原詩(げんし)には、

「欺瞞のやからには没落を」(「善びをうたう」手塚冨雄訳)とある。

 14年の歳月を経て、狂いに狂った邪宗門(じゃしゅうもん)この一節の通

りの様相を示していることは、ご存じの通りである。

 一、学会の"創立の父"である牧口先生は、訴えておられた。

 "悪を排除した清浄な団体には強固な団結が生まれ、強大な勢力を得ること

ができる" ―― と。

 仏法を破壊する悪を断じて許してはならない。学会が世界的な大発展を遂げ

たのも、こうした悪と徹底して戦い、打ち勝ってきたからである。

■人生を生き抜け 勇気をもって! 

 一、ともあれ、私たちは、新たな決意に燃えて新年を迎えたい。

 明年も、日本全国の1000を超す会館、そして500以上の個人会場で行

われる「日本一の新年勤行会」から、はつらつと出発してまいりたい。

 個人会場の提供者の皆さま、また役員の皆さま、年頭から大変にお世話にな

ります。

 さらに、世界でも、約1000の会場で、新年勤行会が行われる。

 この青き地球を、元旦から、妙法の大音声(だいおんじょう)で包んでまい

りたい。

 大聖人は、新年の御聖訓で、「そもそも(世間の道理である)俗諦(ぞくた

い)のなかにおいても、(仏が説きあらわそうとした究極の真理である)真諦

(しんたい)のなかにおいても、勝負をもって要(かなめ)とする」(御書1

002頁、通解)と仰せである。

 仏法の「要(かなめ)」は勝負である。

 人生も勝負。一年また一年も勝負。一日また一日も勝負である。

 新たな「青年・拡大の年」も、健康第一で、365日、朗らかに、また朗ら

かに、勇敢に、また勇敢に、「連戦連勝の大前進」を続けてまいりたい。

 私は、妻とともに、全同志のご健康とご長寿、ご多幸を祈りに祈ってまいり

ます。

 結びに、喜劇王チャップリンの言葉を贈り、本年を締めくくるスピーチとし

たい。

 「勇気をもって、人生に立ち向かうのです!」

 「戦う心を失わなければ、恐れるものはない」「戦う心を失わないかぎり、

勝利は確実である」

 1年間、本当にありがとう!

明年、また、元気に集い合いましょう! (大拍手)

                (2004・12・28)