各部合同研修会〔下〕


◆◆≪戸田先生≫ 地球でもっとも尊厳な生命を守れ


【名誉会長のスピーチ】
 一、戸田先生だったら、どうするか。戸田先生なら、なんと言われるか。先生であれ
ば、どう手を打たれるか。
 私は、つねにそう考えながら、広布の指揮を執っている。
 戸田先生は、どこかで広布の重要な会議が行われていると聞くと、「今、何をやって
いるのか」と、必ず尋ねられたものだ。私は、先生の質問に、すぐ答えられるよう、つ
ねに万全の準備をしていた。
 それが学会の師弟の呼吸である。
 一、きょうは、素晴らしい青空が広がっている。
 戸田先生が、「晴れの日であれば、晴れの日は何をするのか、それを考えよ。晴れ
の日も、雨の日も、曇りの日も、同じことをするのは愚かである」と言われていたことを
思い出す。
 機に臨み変に応じて、最も価値的な行動を起こしていくことが大事である。
 日々の真剣な祈りによって「随縁真如の智(ずいえんしんにょのち)」を湧き出してい
くならば、私たちは、悠然とこの現実社会を勝ちきっていくことができる。

◆幹部の成長が組織発展の条件
 一、戸田先生は、昭和33年(1958年)2月11日、最後の誕生日の日に、こう厳しく
指導された。
 「幹部の自覚が根本である。一般会員の責任ではない。幹部の信心、成長で全ての
組織の発展が決定されるのだ」
 このお言葉を、私は厳然とその日の日記に記した。先生の精神を、後世に過たず伝
えるために。
 幹部の成長が、組織の発展を決める。組織を伸ばすには、幹部自らが、だれよりも
祈り、だれよりも戦い、だれよりも成長することである。

◆どれだけの人を幸せにしたか
 一、戸田先生は、広布の前進に当たって、明確な「数」を目標として掲げられた。
 数学者としても有名だった先生は、この「数」の持つ意味についても、しばしば指導
してくださった。
 これまでも何度か紹介したが、「創価学会は、地球上で最も尊厳な生命を守り、どれ
だけの人に妙法を受持せしめ、幸せにしたかということを数えるのである」と言われて
いた。
 あの歴史的な第2代会長の就任式では、「私が生きている間に、75万世帯の折伏
は私の手でいたします」と先生は叫ばれた。
 この「75万」にも、甚深(じんじん)の意義が込められていたのである。それは、単な
る数ではない。先生の深き誓願と一体の「数」なのである。

◆忍耐こそ礎(いしずえ)
 一、戦後、ほぼ壊滅した創価学会を再建なされた先生のご苦労は、並々ならぬもの
であった。
 しかし先生は、忍耐強く、一人また一人に光を当て、法を説き、励ましを重ね、広布
の陣列を広げてこられた。
 「忍耐が大成の礎である」とは、戸田先生の信念であった。
 「忍耐」なくして、成し遂げられた事業はない。
 全世界に広がった広宣流布の進展の陰に、どれほどの忍耐があったことか。賢明
な皆さんは、深く理解していただきたい。

◆競争ある所進歩がある
 一、戸田先生の弟子として、私は、先生の誓願を実現するためには、どんな苦労を
も忍ぶつもりであった。
 もともと体が弱かったため、激しい闘争に疲労困憊(ひろうこんばい)したが、先生と
ともに戦う喜びに、命は踊っていた。
 行く先々で、拡大のうねり、躍進の上げ潮をつくっていった。
 当時は、それぞれの支部が、競い合いながら、切磋琢磨し合いながら、拡大に取り
組んでいた。
 「進歩は競争の終わりと共に終わるのである」(中川誠訳『ハズリット箴言集 ──
人さまざま』彩流社)とはイギリスの文人ハズリットの言葉である。
 大目的観に立った健全な競争は、全体を大きく進歩させていくものだ。

創立者の心
 一、先日、お会いしたハリウッドの名優、オーランド・ブルームさんが、東西の創価
園に、直筆のメッセージを贈ってくださった。
 そこには、「世界をより良くするのが真の人間だ」という言葉が記されていた。
 これは、オーランドさんが主演した映画(『キングダム・オブ・ヘブン』)の中の言葉だ
そうである。
 オーランドさんの真心に、心から感謝したい。
 学園生にとって、どれほどの喜び、励みになるだろうか。学園生の喜びは、創立者
である私の喜びである。
 創価大学も、アメリ創価大学も、日本そして海外各地の創価幼稚園も、同様であ
る。
 私は、私のつくった学校に来てくれた学生や子どもたちのためなら、どんなことでも
したいと思っている。どこにいても、彼らのことを忘れることはない。
 生徒だけでなく、そのご両親、そのご家族の健康と繁栄を、毎朝毎晩、真剣に祈っ
ている。
 これが、創立者の心である。これが創価の魂である。

◆世界の教学運動
 一、今朝、タイから連絡が入った。
 それは、今月13日の教学初級試験のため、1万人に及ぶ受験者が、「聖人御難
事」等を教材に、真剣に研鑽をしているという報告であった。
 ヨーロッパでも、この秋、任用試験などが行われる。各地で、1万2000人のメンバ
ーが、イタリア語、フランス語、ドイツ語、英語などの各言語で受験する。
 アメリカでも、10月に3万人の教学試験が行われる。
 ブラジルでも2万人の教学試験が開催される。
 戸田先生は、学会が創立以来、雄々しく「行学の二道」を邁進してきたことについて、
「剣豪の修行を思わせるが如きその厳格なる鍛錬は、学会の伝統・名誉ある特徴とな
っている」と叫ばれた。
 そして今や、この伝統は世界中に拡大した(大拍手)。
 これが、今の世界広布の状況である。日本の最高幹部の皆さんは、こうした進展を、
しっかりと認識し、受け止めていただきたい。
 創価のリーダーには、世界と未来を大きく展望する視点と、時代を動かす鮮烈な行
動がなくてはならない。
 ぼやぼやしていると、世界の流れに取り残されてしまう。会員に、希望あふれる的確
な指針が与えられてこそ、最高幹部である。
 皆さんは、広布の要の存在である。
 いくつになっても、最後の最後まで、みずみずしい学会精神を忘れてはならない。


◆◆ 師弟直結の青年部を
     ── 女子部の拡大こそ未来の希望

◆新たな決意で!
 一、新たな決意で、新たな創価学会を構築していく。今は、そのときである。
 青年部の育成にも、より一層の力を入れていきたい。
 青年部は、「師弟直結」でなければならない。師のもとで戦い、師のもとで訓練を受
け、師の心を知り、師をどこまでも守り抜く。これが、戸田先生にお仕えした私の精神
であった。これが、学会の師弟である。
 一、女子部を育成しよう。女子部を、どんどん増やしていこう。
 一人の女性が、どれほど大きな影響を、社会にもたらすか。
 職場、家族、友人に。さらに結婚したときは、夫に、子どもたちに、連なるすべての一
家一族に ── 。その波動は、大きく大きく広がっていく。
 女子部の育成と拡大に、全幹部が心を合わせて取り組んでまいりたい。
 女子部を軽んじてはならない。女子部を大切にしていかなければ、学会の未来はな
い。女子部の成長にこそ、未来の希望がある。

◆会員第一で!
 一、すべては、幹部の自覚と行動で決まる。
 傲慢な言動、学会利用の利己主義の振る舞い、悪と戦わない卑怯な態度 ── も
しもそういう幹部が出たら、どんどん声を上げていくことだ。
 異体同心の団結で、「師弟の精神」と「会員第一の精神」が脈打つ、最高の創価
会を築いてまいりたい。
 長時間、本当にありがとう!お元気で!
 それぞれの地域に戻られましたら、同志の皆さんに、くれぐれもよろしくお伝えくださ
い。
 一緒に戦おう!(大拍手)

                 (2006・8・2)