陝西大学名誉教授称号授与式 創大祭・白鳥祭・創価栄光の集い

一人が立てば一切が変わる!
学校で 職場で 地域で 勝利の柱と輝け
創価同窓生は全員が親孝行に


 「自由な精神」を「鋭敏な直感」を 
 一、青年こそ、夜明けを告げる鐘である!──これは、近代中国の大恩想家である李大●(りたいしょう)先生の叫びでありました。
 きょうは、秋晴れの清々しき創価大学で、「輝く生命の世紀」の夜明けの鐘を打ち鳴らす、創大祭、そして白鳥祭の開催、本当におめでとう!(大拍手)
 45カ国・地域からの留学生の皆さん方も、それぞれの国の将来の大指導者になるために、尊い努力を重ねておられる。ご苦労さま!(大拍手)
 貴国の大哲人・李先生は、こうも語られました。
 「青年の辞書には『困難』という文字はない。青年の口元には『不可能』という言葉はない。躍進のみを知り、雄飛のみを知り、自身の自由な精神のみを知る。
 斬新な発想、鋭敏な直感、活発な生命をもって環境を創造し、歴史を制覇する」と。
 この世に、青春の生命ほど、誇り高いものはない。
 ゆえに、わが創大生よ、わが短大生よ、喜び勇んで、わが人生を快活に前進してください!
 大事なのは、自分自身が強くなることです。
 そして、希望に燃え、学びに学んでいただきたい。
 私は、戸田先生のもとで、約10年間にわたって万般の学問を学んだ。毎朝のように個人教授を受けました。
 日曜日には、先生のお宅で授業が行われた。朝から晩まで勉強したこともありました。
 休みの日だからといって、遊びに行くことなどできなかった。
 しかし私は、今では先生の厳しき薫陶に心から感謝しています。
 先生が全魂を注いで教えてくださったからこそ、世界の識者と語り合えるほどの実力を養うことができた。そして、全世界を舞台に活動し、皆さまを代表して、多くの知性の栄誉をお受けできるようになったのであります。
 皆さんの模範となるような姿を残したい──これが私の決心です。

 教育は「最も光り輝く仕事」 
 一、この4月、日本にお迎えした、中国の偉大な人民の指導者である温家宝総理と、私は「青年こそ未来なり」と語り合いました。
 温家宝総理は、つい先日も、教育者を目指す学生たちを励ましながら、こう語っておられます。
 「教育は、人類の最も崇高な聖業である。教育者は、太陽の下において、最も光り輝く仕事である」
 この最も崇高にして、最も光り輝く教育の聖業を厳然と担い立ってこられたのが、ここにお迎えした房喩(ぼうゆ)学長であり、陝西師範大学の先生方であります。
 私たちは、熱烈に歓迎申し上げましょう!(大拍手)

 真剣に学べ! 人間を鍛えよ 
 一、ただ今、私は、皆さん方の創立者として、大中国を代表する「教育の大城」より、最高に栄えある名誉教授の称号を賜りました。
 「厚き人徳」「学問の錬磨」「高邁な志」、そして「誠実な行動」という卓越した学風を、わが身に深く体しつつ、妻とともに、名誉ある貴大学の一員とさせていただきます。
 まことにまことに、ありがとうございました(大拍手)。
 貴大学の創立は、新中国の建国の5年前。
 それは、残忍な日本軍の侵略が荒れ狂うなか、7人の教師と268人の学生での出発でありました。
 初代の学長であられた■(せき(赤+こざとへん))耀東(ようとう)先生は、学生たちに、こう訴えました。
 "正義の人が誹謗され、悪に迎合する者が賞讃される。君たちよ、この狂った人間社会の不条理と戦い給え!"
 学問、そして教育の真髄とは何か。それは、人間の善なる英知を引き出し、社会に正義の勝利の柱を打ち立てていくことであります。
 皆さんは、いずれ社会へと出ていくことでしょう。例えば、会社に入れば、その会社の「勝利の柱」を打ち立てていくことです。立派な会社にするために、貢献していくことだ。
 本当の「人格」と「学問」が一体となった人──その人が、勝利者です。頑張ってください! 一、私は、これまで企業のトップをはじめ、各界を代表する多くの識者とお会いしてきました。
 本当に苦労し、鍛錬を重ねてきた一流の方は、バッと相手の本質を見抜いてしまいます。
 例えば、会釈や歩き方など、学生のちょっとした姿を見ても、「この青年は立派だな、優秀だな」「人格が素晴らしいな」と、すぐにわかってしまう。
 大切なのは、真剣に学び、人間を鍛えていくことです。だれに対しても、誠実と真心で接していくことです。
 創価大学は、まだまだ新しい大学である。だけれども、創価大学の学生は本当に立派だ──そう思われるような皆さんであっていただきたい。
 頼みます!〈会場から「ハイ!」との元気な返事が〉

 人材こそ資源 
 一、正義の勝利を!善なる社会を!──。
 この貴・陝西師範大学の魂をたぎらせて、イギリスに留学し、世界の学術界で創造的知性を見事に発揮してこられたのが、房学長です(大拍手)。
 房学長は、そのまま国外に身を置いて、最大に恵まれた待遇で、自由に研究を続けることもできました。
 しかし、それを、あえて、なげうって、自身を育ててくれた愛する母校へ舞い戻り、大中国のため、祖国の人材育成のため、獅子奮迅の戦いを開始されたのです。
 房学長は、こう宣言されました。
 「人材という資源こそ、第一の資源である」
 そしてまた、「人材で勝つことこそ、最大の勝利である」と。
 この学長の透徹した信念に、私も心を打たれました。
 学校も、会社も、国も、全部、人材で決まる。一人の人間が真剣に立ち上がれば、そこから、一切が変わるのです。
 家庭においても、皆さんが「真心」で接して、安心させてあげれば、お父さんも、お母さんも変わる。
 環境ではない。自分です。自分が変わればいいのです。
 今年、全中国の1500万人の教育者を代表して、5人の「模範教師」が選ばれました。
 そのうち、実に2人の「模範教師」が貴大学の誉れの卒業生だったのです。
 房学長も、貴大学も、晴れ晴れと勝ちました!(大拍手)
 一、光栄にも、きょうは、ロシアの法華経研究の最高峰であられるヴォロビヨヴァ=デシャトフスカヤ博士(ロシア科学アカデミー東洋学研究所サンクトペテルブルク支部)をはじめ、多くのご来賓の方々がおいでくださいました。ありがとうございます(大拍手)。
 人生の大先輩の皆様方は、あらゆる試練も苦難も勝ち越え、堂々たる勝利の晴れ姿を示してくださっています。

陝西省の著名な作家
 胸には百の川を納めよ 志は万の山を越えゆけ
 眼は千年を見つめよ  心は大平原の如くあれ

 ロシアといえば、大文豪トルストイが有名です。
 わが恩師の戸田先生は、青年に徹して本を読ませました。会うたびに、「今、何の本を読んでいるか」と鋭く聞かれました。
 私も、何をどこから問われても大丈夫なように、必死で読み、学びました。
 それが今、自身のかけがえのない宝となっています。先生には、いくら感謝してもしきれません。
 また、先ほど申し上げたトインビー博士との対談が終わろうとしていた時のことでした。
 博士は、私に、こう言われました。
 「私は、世界のいくつかの大学から名誉博士を贈られています。あなたは、必ず、私以上に、世界中から名誉博士号を贈られるようになるでしょう」
 若き私への励ましと受けとめましたが、それから約35年を経た今、博士の予見は、現実のものとなりました(大拍手)。
 これが、超一級の"知性の眼"です。
 反対に、嫉妬に曇った"偏見の眼"に真実は見えないものです。
 一、大文豪トルストイが『戦争と平和』で論じた勝負の哲学の要諦は何か。
 それは──"戦いは、必ず勝つと決めたほうが勝つ""勇気のあるほうが勝つ""粘り強いほうが勝つ""わが身を惜しまず、猛然と戦い抜いたほうが勝つ"。
 これがトルストイの「勝利の方程式」でした。
 わが創大生、短大生も、断じて、全員が、青春と人生の大勝利者になってもらいたいのです。頼むよ!(大拍手)

 "だれかが やるだろう"は無責任 
 一、きょうは、うれしいことに、王乃坤団長をはじめ、「中華全国婦女連合会(婦女連)」の代表の先生方も出席してくださっています。
 私と妻が8回の出会いを重ねさせていただいた訒穎超先生(周恩来総理夫人)は、この婦女連の名誉主席でもあられました。
 訒先生は、18歳のとき、こう叫ばれました。
 「今、私たちが戦わなければ、後に続く姉妹たちも戦えない。戦う人間がいなければ、何千年たっても、女性の権利は実現できない」と。
 "だれかが、やるだろう""何とか、なるだろう"という、狡賢い要領や、無責任な態度は絶対にあってはならない。
 後に続く後輩たちのために、自分が行動するのだ! 自分が先頭に立つのだ! 道なき道を切り開いていくのだ!
 これが大中国を興隆させてきた魂です。
 そしてまた、わが創価の魂も同じでなければならないと申し上げたいのです(大拍手)。

 平和と創造のシルクロードを 
 一、陝西省が生んだ著名な作家で、周恩来総理とも交友を結ばれた、柳青先生は高らかに謳いました。
 「胸には、百の川を納めよ。志は、万の山を越えゆけ。眼は、千年を見つめよ。そして心は、大平原のごとくあれ」
 この壮大な生命の息吹をもって、私たちは、新たな人類の「平和」と「創造」のシルクロードを、明朗に、勇敢に、聡明に開き進んでいきたいと思います。
 結びに、敬愛する貴大学に永遠の栄光あれ!
 ご列席の皆様方に、健康あれ! 勝利あれ!──と心の底からお祈り申し上げ、私の御礼のスピーチといたします。
 謝謝!(ありがとうございました!)(大拍手)  (2007・10・6)