わが青年よ! 馬上豊に剣高く


                        山本 伸一

強烈な
魂の光が
激しく
光り始めた。

おお 偉大なる青年よ!
精神の王者を妬む
いかなる権力者をも
絶対に恐れぬ青年よ! 
いかなる邪悪にも
いかなる強敵にも
戦い勝ち切る
凛々しき青年よ!
今日も
正義と善の炎に燃えゆく
あの素晴らしき青年よ!

この神々しき
紅顔の青年たちが
厳として
立ち上がり
厳として
動き走りゆく!

そこから
万雷の拍手が鳴り響く
新時代が始まる。
そして煌々と
新しき太陽が昇る如く
全世界は変わっていくのだ。

あの深き信念の青年は
威張り腐った
見栄っ張りの王侯たちを
嘲笑っている。
賢者である青年たちは
すべてを明快に知って
その正体を見抜きながら
権力者らを
笑い飛ばしていくのだ。

腐りゆく彼らの前途には
平和の道も
充実の道も
絶対にない。
ただ荒涼として
人民の怒りの風が吹いている。

青年は厳しい。
青年の英知は
冷徹に輝いている。
驕慢な
知識階層に対しても
卑しき
権力者に対しても
増上慢
気取った連中に対しても
あまりにも鋭敏に
悪を見破る君よ!

悪党は
真実の豊かな人生の
喜びを知らない。
つまり哀れな人間たちだ。
いついつまでも
己に執着している。
慈愛も価値もない。
人目を盗んで 皆の努力を
食い尽くしていく奴らだ。

十七世紀フランスの詩人
ラ・フォンテーヌは
憤怒して喝破している。
「いつの世にも
 庶民は苦しんできたのだ、
 おえらがたの
 愚劣な行ないのために」
だからこそ青年が
厳正に監視するのだ!

おお 君の戦いには
剣が鋭く
舞があり
芸術がある。

明敏な君の姿には
天の男子としての
使命が輝いている。
眼は涼しく
その意志は鋼鉄の如く
強く光る。

狡賢く
貪欲な連中には
清く潔き君たちの魂の
英邁なる高みを
知ることはできないのだ。

おお 弛みなき君たちは
未来永劫に煌めく
勝利と希望の
歴史を残しゆく
崇高なる青年である。

師子王の男子よ!
決闘王の丈夫よ!
決然と
時代を変えゆく名優よ!
若き雄大な君たちの英姿を
皆が見つめている。
皆が憧れている。

古代ギリシャの大哲学者
プラトンの叫びは有名である。
「人間の力の及ぶかぎり
 努力をする者には、
 各々の事柄について
 英知と理知とが
 輝き出してくるものです」
これこそ
君たち青年の姿だ。

君も私も
人生の大勝利のために
戦うのだ!
さあ 今日も
生き抜くのだ!
労を惜しまず学ぶのだ!

そこに
民衆の凱歌があるからだ。
そこに
美事なる
平和と勝利のスクラム
見えるからだ。

勝つために進むのだ!
後悔なきために
戦い勝つのだ!
断じて人生は
勝って
幸福であらねばならない。
堕落と敗北に
滅びゆく人生ほど
凄まじい苦痛はないからだ。

中国の大文豪
魯迅は警鐘を鳴らした。
「心は、
 外から刺激を受けないと、
 枯死するか、
 さもなければ、
 萎縮してしまう外はない」

勇んで戦い鍛えた青春には
必ず栄光が待っている。
怖じ気づいた青年には
決して勝利の
満足の未来はない。

暗闇の人生を歩み
人間として
無明と不幸の生命へと
終結していくことは
なんと哀れなことか。
なんと悲惨なことか。

最も大切な自分自身を
惨憺たる自分に変え
自ら地獄へ
堕ちていくことは
愚の中の愚である。

古代ローマ
代表的詩人である
オウィディウスは綴った。
「恩を忘れ、
 人の道に
 もとるようなことが
 できようか?」

あの畜生にも劣る恩知らずは
あの嫉妬に毒された輩は
やがて必ずや
心乱れて 煩悶し
狂い死にしていくに違いない。
悪の報いに泣き崩れ
絶望的な悔恨と
狂乱の如き陰惨なる姿を
皆に見せゆくことであろう。

おお 青年よ!
わが青年よ!
私たちが信頼する青年よ!
真剣な そして誠実な
君の生活態度に対して
皆が誉め讃え
信頼している。

人びとから
信頼されることだ。
「信頼」という二字こそ
青春時代の尊き心の勝利で
あらねばならない。

御聖訓の結論は
「心こそ大切なれ」とある。
ゆえに賢き君よ!
粘り強き君よ!
頼もしき君よ!
「師子王の心」を出して
走り戦い勝ち抜きて
人生の玉座に昇りゆけ!

艱難と激動を
恐れぬ青年!
嵐と怒涛を
恐れぬ青年!

若き君たちを見ると
私が青春時代に読んだ
詩が浮かび上がる。
私も詩人であるからだ。

アメリカの民衆詩人
ホイットマンは謳った。
「私の心は
 常に民衆と共にある。
 そして
 常に戦いの中にある」

青年は
強く正しい。
青年は
清く明るい。
そして青春は
一生の勝敗を決する
最重要の時代である。

私が対話を重ねた
アメリカの大経済学者
サロー博士は明言した。
「幸運は
 勇気ある者に微笑む」

青年ほど
尊貴なものはない。
青年ほど
正義の大情熱が燃えている
勇者はない。
青年に勝るものは
何もない。

この勇敢なる青年たちは
何も恐れない。
権力も 肩書も
財宝も 批判も
苦難も 凶悪も恐れない。

「青年は
 尊き国宝の集まりだ」と
叫んだ哲人がいた。
青年は宝だ。
いな宝の中の宝た!

青年がいるところは
清々しく朗らかだ。
活発であり賑やかだ。
青年がいるところは
必ず勝利する。
青年が集まるところは
必ず栄える。
そして
青年が育つところは
日の出の勢いで発展する。

私の恩師である
戸田城聖先生は
青年を伸ばそう
伸ばそうとされた。
よく壮年部の幹部に
訓示しておられた。

──未来を考えるのは
 当然の道理である。
 高慢な年寄りは
 若い人たち
 立派に育ててゆくことを
 忘れている。
 威張り散らして
 いつまでも自分の
 子分のようにしてしまう。

 青年を偉くしようとしない。
 自分より良くしようとしない。
 使命ある青年を
 自分が心から尊敬していない。
 それでは 汝自身が
 決して伸びていけない。

 いつまでも
 自分の子分のように
 思い巡らせているのは
 卑劣である。
 人生道に反する。
 後輩を 青年を
 伸ばそうとしない
 年寄りの幹部は
 もはや幹部の資格はない──

わが恩師は
青年を常に第一に
考えておられた。
十九歳の私を
未来の広宣流布のために
厳然と命懸けで
護り育ててくださった。
私もその先生の御境涯が
鋭く一段とわかってきた

恩師は叫んだ。
「悪い傲慢な先輩たちは
 若き人びとを下に見ながら
 罵声を吐いたりする。
 そこには一片の慈愛もない。
 学会を食い物にしたり
 利用したり
 自分の利己主義と
 増上慢を増していくような
 邪悪な人間は
 痛烈に叩き出すのだ!」

青年を味方にしないところは
必ず途絶える。
衰亡していく。
未来を考える時に
青年の輝く瞳を
決して忘れてはならない。
政治家も
実業家も
ありとあらゆる指導者も!

数知れぬ
世界の人びとの英知は
青年の力の糾合に
新しき活路を見出している。

四十代の大国の大統領候補や
三十代の大都市の知事等々
新聞やテレビの報道を通しても
若い世代への期待が
一目瞭然に伝わってくる。

私と妻が
忘れ得ぬ出会いを刻んだ
中国の著名な女性作家
謝冰心先生は
晩年に書き綴られた。

「生ある限り生き抜き
 学び抜き働き抜く。
 革命の青春は
 永遠に老いない。
 だから若き友よ!
 あなた方は
 午前八時の太陽だ。
 そして私もまた
 黄昏などではなく
 永遠の青年である」

おお青年!
わが使命と運命を
背負いながら
凛々しく力の限り
あの希望の山に
この勝利の山に
悠然と登りゆくのだ!

「よき弟子を
 もつときんば
 師弟・仏果にいたり・
 あしき弟子を
 たくはひぬれば
 師弟・地獄にをつといへり」

御聖訓に厳と仰せの通り
師弟不二の人生こそが
真の王者になりゆく大道であ
師弟不二の人生のみが
最高にして最大の
生命の大勝利者となるのだ。

正しき師を持たぬ人生は
迷走である。
三類の強敵と戦う師を
軽賤する者は
堕地獄であることも
御書に明確である。

数え切れぬ
誉れの師弟の映像を
描きながら
前進だ!
幸福だ!
建設だ!
勝利だ!
そしてまた戦うのだ! と
青年は未来を見つめる。

たとえ疲れて
よろめきながらも
走り続けている
雄々しき青年よ!

至上の勝利を目指して
息を吐き吐き
凛と唇を結び
思い出深き
素晴らしき追憶を
抱きながら
さらに前へ前へと
進みゆく不屈の君よ!
気高き英雄の君よ!

君には
絶望などは絶対にない。
君には
不可能など絶対にない。
それが
師弟に生き抜く青年の
あらゆる英雄にも勝る
誇り高き
真実の栄光であるからだ!

ロシアの大音楽家
チャイコフスキーは言った。
「賢く
 かつ信仰心を持つ人間は
 いかなる運命の打撃にも
 一切
 壊されることのない鎧を
 身に着けているのである」

信篤く
雄渾なる戦を
乗り越え
勝ち越えた君よ!

楽園の到達の庭にあって
喜びと美しい眼差しの
心からの讃辞を受け
友と万歳を叫ぶ君の雄姿には
微笑みと涙が光っていた。

聡明な君は
永遠を指さしつつも。
あらゆる眼前の現実と戦い
常に最後には
必ず勝利する。
それが青年の実像だ!

旭日の輝く陽光を
浴びながら
勝利と栄光の
あの馬上豊かな
青年たちが帰還した。
人生の闘士が
戦い切り
勝ち誇って
凱旋をしてきたのだ。

幾千万の民衆に
勝利者として
迎えられた青年よ!
そこには
太陽が燦々と輝いていた。
月天も微笑み見つめていた。

最上の勲章よりも
はるかに尊く高貴な
強く優しい
満天の星の如き
民衆の賞讃の瞳が
待っていた。
無量無辺の
鳴り止まぬ大喝采だ!

父もいた。
母もいた。
兄弟姉妹も
多くの友人たちも
混じっていた。

大歓迎する
大群衆の波と波は
怒濤の如く
無限に響く歓声を贈り
わが子を
わが同志を讃え抜いていた。

嵐の如く
喜びと勝鬨を声高らかに
天に轟かせながら
若き広布の英雄は
悠々と帰ってきた。

勝ったのだ!
わが創価の青年たちは
大軍と戦い
断固と勝ったのだ!

君よ!
君たちよ!
無数の諸天善神から
厳として護られ
無窮の大絶讃をもって
迎えられる
光り輝く青年の時代が
遂に到来した。

断じて戦い抜くのだ!
そして
断じて勝ち抜くのだ!

   二〇〇八年三月一日
     三・一六「広宣流布記念の日」五十周年を祝して
              学会本部・師弟会館にて
                 桂 冠 詩 人
                 世界桂冠詩人
                 世界民衆詩人