功徳について

伸一は、日蓮大聖人の仏法こそ、経文のうえからも法理のうえからも、最高の教えであることを訴えるとともに、その功徳は、「冥益」となって現れることを述べていった。

「功徳には、祈りの結果が、直ちに目に見える利益、つまり顕益と、目には見えない利益である、冥益とがあります。大聖人の仏法は、このうち、冥益が主となって、私たちに幸福をもたらしてくれます。

 ある場合には信心してすぐに病気が治るということもありますが、本当の功徳とは、信心をしたら大金が手に入ったとかいうものではありません。『棚からボタモチ』のような、自分は何もせず、どこからか幸運が舞い込んでくるのが功徳だとしたら、かえって、人間を堕落させてしまいます。

 では、冥益とは何か。

たとえば、木というものは、毎日、見ていても、何も変化しないように見えますが、五年、十年、二十年と信心に励むうちに、次第に、罪障を消滅し、宿命を転換し、福運を積み、大利益を得ることができるのが冥益であり、それが大聖人の仏法の真実の功徳なのであります。」

 多くのメンバーが、功徳といえば「顕益」と思い込んできた。それだけに、「冥益」の話に、驚いた人もいた。伸一は、皆に、正しい信仰観を確立してほしかったのである。

「冥益といえば、言い換えれば、信仰によって、生命力と智慧を涌現し、人格を磨き、自らを人間革命して、崩れざる幸福境涯を築くということでもあります。

したがって、焦らず、弛まず、木が大地に深く根を張って、大樹に育っていくように、学会とともに、広布とともに生き抜き、自らの生命を、磨き、鍛えていっていただきたいのです。そうして、十年、二十年、三十年とたった時には、考えもしなかった幸福境涯にいなることは間違いない、と断言しておきます。」

『新・人間革命』 第8巻 布陣

第34回 声は力! 会って励ませ!

 あの町でもこの地でも、多宝会、宝寿会(東京)、錦宝会(関西)の皆さんが意気軒高である。本当にうれしい。
 今、栄光の創立記念日へ、日一日と、秋が深まる。紅葉前線が列島を染めていく。
 赤や黄の美しい木々のように、そして、荘厳な夕日が大空に輝きを放つように、人生の最終章を、晴れ晴れと飾っていくための仏法である。
 わが敬愛する友人に、核兵器の廃絶を訴えたロートブラッド博士、アメリ公民権運動の母、ローザーパークスさんがいる。お二人とも、90歳を超えてなお、平和と人権への歩みを止めなかった。
 恩師・戸田先生もまた、最後の一瞬まで、広布に戦われた。弟子たる我らが戦い抜くのは、当然ではないか。
 私も多宝会の一員である。
 ともどもに、大いなる理想に向かって、新しい総仕上げの人生を見事に飾りたい。
    *  *  *
 使命を忘れない人は強い。
 人生は断じて引いてはならい。くじけてはならない。
 一日一日が戦いだ。
 一年一年が勝負だ。
 最後まで「負けない」ことが「勝利」である。
 戸田先生と共に拝した「如説修行抄」に「いかに強敵重なるとも・ゆめゆめ退する心なかれ恐るる心なかれ」(御書504ページ)と仰せである。
 この決心なくして、信心のリーダーとはいえない。
 いかなる権力に迫害されても、ゆめゆめ退転するな、恐れるな、との恩師の厳しき声が、今も、わが胸に響く。
 命ある限り、題目をあげてあげ抜いて前進するのだ。
 永遠に、勝利の人生のために、健康で、朗らかに、生き抜こう! 勇気をもって!

第34回 健康で朗らかに勇気をもって 

 あの町でもこの地でも、多宝会、宝寿会(東京)、錦宝会(関西)の皆さんが意気軒高である。本当にうれしい。
 今、栄光の創立記念日へ、日一日と、秋が深まる。紅葉前線が列島を染めていく。
 赤や黄の美しい木々のように、そして、荘厳な夕日が大空に輝きを放つように、人生の最終章を、晴れ晴れと飾っていくための仏法である。
 わが敬愛する友人に、核兵器の廃絶を訴えたロートブラッド博士、アメリ公民権運動の母、ローザーパークスさんがいる。お二人とも、90歳を超えてなお、平和と人権への歩みを止めなかった。
 恩師・戸田先生もまた、最後の一瞬まで、広布に戦われた。弟子たる我らが戦い抜くのは、当然ではないか。
 私も多宝会の一員である。
 ともどもに、大いなる理想に向かって、新しい総仕上げの人生を見事に飾りたい。
    *  *  *
 使命を忘れない人は強い。
 人生は断じて引いてはならい。くじけてはならない。
 一日一日が戦いだ。
 一年一年が勝負だ。
 最後まで「負けない」ことが「勝利」である。
 戸田先生と共に拝した「如説修行抄」に「いかに強敵重なるとも・ゆめゆめ退する心なかれ恐るる心なかれ」(御書504ページ)と仰せである。
 この決心なくして、信心のリーダーとはいえない。
 いかなる権力に迫害されても、ゆめゆめ退転するな、恐れるな、との恩師の厳しき声が、今も、わが胸に響く。
 命ある限り、題目をあげてあげ抜いて前進するのだ。
 永遠に、勝利の人生のために、健康で、朗らかに、生き抜こう! 勇気をもって!

第33回 声は力! 会って励ませ! 

 人を動かすのは人だ。心を揺さぶるのは心だ。
 直接会う。会って語る。そこに生命の触発が生まれる。
 新しい出会いには刺激があり、新鮮味がある。人を励ませば、自分の心が励まされ、開かれていくのである。
 会えなければ、電話でもいい。心がつながればいい。
 「声仏事を為す」(御書708ページ)である。また「音《こえ》も惜まず」(同504ページ)とも仰せだ。真剣な声、誠実な声、正義の声──そこに込めた思いは、必ず通じていく。
 声が心を変える。「楽しくやろう!」「自分らしく!」「朗らかに!」──たった一言でも、皆、元気になる。
 声が力になる。「無事故でね!」「気をつけて!」。その一言が事故を未然に防ぐ。
 遠慮してはいけない。言うべきことは明快に言うのだ。
    *  *  *
 我らの目的は、広宣流布であり、世界平和である。
 その大きな目的を達成するには、地道な積み重ねが大事だ。少しずつでもいいから、全体が前進する。そういう学会を築くのだ。簡単なようで一番難しい。それをやれるのが一人前の指導者である。
 何より、最前線の人を褒め讃えることだ。わが心に師弟の魂を燃やして進むのだ。
 戸田先生は叫ばれた。
 「正義は絶対に勝たねばならない。創価学会は、正義の中の正義の団体である。ゆえに、絶対に勝たねばならない。勝ってもらいたい。永遠に勝ち抜き、勝ち誇って、一生を送ってもらいたい」
 猛然と信心で立ち上がってこそ、宿命転換できる。わが使命を自覚すれば、魔は退散する。同じ戦うならば、「どうだ!」と胸を張れる、勝利の晴れ姿を見せるのだ。

第32回 師匠と一緒に! 同志と一緒に! 

 創価の新しい人材群が元気だ。私はうれしい。皆、張り切って、自身の幸福と勝利の花を咲かせてもらいたい。
 人生は長い。晴れの日もあれば、嵐の日もあるかもしれない。しかし、戸田先生は、こう教えてくださった。
 「信心さえあれば、ことごとく功徳なのだよ」と。
 どんなに苦しいことがあっても、信心があれば、最後は全部、功徳に変わる。
 たとえ両親や夫が、また、妻が、なかなか信心をしなくとも、子どもが信心に立ち上がらなくとも、決して焦る必要はない。大事なのは、自分が信心を貫くことだ。太陽が昇れば、全てを照らしていける。自分が一家、一族の太陽になればいいのである。
 広宣流布の戦いは、困難であればあるほど、舞を舞うごとく、喜び勇んで進むのだ。
 民衆のために──この一点を忘れてはならない。人に尽くす人こそが真実の王者だ。
 そして、いつも師匠と一緒、いつも同志と一緒──この心があれば、何があろうと断じて負けるわけがない。
    *  *  *
 どうしたら、皆が伸び伸びと前進し、健康で、絶対無事故で勝利していけるか──ここにリーダーの責務がある。
 私は祈り抜き、考え抜いて、一つ一つ完璧に手を打ってきた。だからこそ今日の学会がある。要領や人任せではいけない。なすべき基本をおろそかにしてはならない。
 御義口伝には仰せである。
 「一念に億劫の辛労を尽せば本来無作の三身念念に起るなり所謂南無妙法蓮華経は精進行なり」(御書790ページ)
 必死の祈りに、智慧と勇気が湧く。リーダーの真剣な一念に同志は奮い立つのだ。

第31回 師弟とは最も強い生命の絆 

 〈SGI青年研修会へ〉
 世界広宣流布の歴史に、永遠に輝きわたる青年研修会となりました。
 皆、どれだけ真剣に祈り、どれだけ苦労して、日本へ駆けつけてくれたことか。
 「陰徳あれば陽報あり」(御書1180?)の法理に照らして、無量無辺の大功徳が、皆さん方についてくることを、晴れ晴れと大確信していってください。
 日蓮大聖人は、「総じて日蓮が弟子檀那等・自他彼此の心なく水魚の思を成して異体同心にして南無妙法蓮華経と唱え奉る処を生死一大事の血脈とは云うなり、然も今日蓮が弘通する処の所詮是なり、若し然らば広宣流布の大願も叶うべき者か」(同1337?)と仰せであります。
 この御金言の通りの「異体同心」の世界が、我らSGIです。
 妙法で結ばれた師弟、共に広宣流布に生き抜く同志は、最も深く強い生命の絆です。離れていても、会えなくても、いつも心は一緒であり、自在に通い合います。君たちと私がそうです。私の胸の一番奥には、君たち一人一人が厳と光っています。
 皆、尊く大きな宿縁のある大指導者です。体を大事にして、偉大な使命を達成するために、健康で生き生きと、前進していってください。
 私と一緒に、いかなる苦難にも断じて負けず、良き人間のつながりを、いよいよ広げながら、正義の道、平和の道、勝利の道を、一歩一歩、進み抜いていただきたいのであります。
 何も恐れず、この人生を勝ちまくれ!

第30回 皆が人材! 新しい力を伸ばせ 

 今、世界の後継のリーダーが立ち上がった。壮大な青年の大舞台の幕が開いた。
 青年は太陽だ。希望の光りであり、人類の宝である。
 一番大変な最前線に飛び込んで、苦楽を分かち合い、共に立ち上がる指導者の登場を、人々は待っているのだ。
 女性は、一人も残らず、真実の幸福者に!
 男性は、一人も残らず、社会の勝利者・成功者に!
 進もう! 希望に燃えて! 私と一緒に!
    *  *  *
 恩師・戸田先生は広布のリーダーに教えておられた。
 「『組織の目』だけではなく、つねに『信心の目』で人を見なければならない。とくに、役職は高くなくても、また役職はなくても、本当にまじめな信心の方がおられる。その方々を尊《たっと》び、心から讃え、励まし、守っていく心が、自分自身の信心の証であることを忘れてはならない」
 皆が人材だ。使命の人だ。一人一人が成長し、功徳を受け、広布の庭で輝いていけるよう、リーダーは祈り、心を砕いていかねばならない。
 新しい力を伸ばす。副役職の方を励ます。多宝会の友に心から感謝を捧げる。これらも大変に大事なことだ。
 人材の大城を築き、皆が人間革命するための一切の戦いである。リーダーの皆さんは、よろしくお願いしたい。
    *  *  *
 日々、御書を拝して前進したい。日蓮大聖人は、世界の民衆を救おうと、最高の正義を貫き、最大の難を受けられた。しかし厳然と仰せである。
 「大難来りなば強盛の信心弥弥悦びをなすべし」(御書1448ページ)
 富士のごとく堂々と、尊《とうと》き一生を断じて勝ち抜け!