各部・海外代表協議会

◆◆◆平和は[勇気の対話]から! 
    新しい「友情の道」を開け!! 

◆◆◆使命に生き抜く人生こそ栄光〔南米戒法の英雄〕


【SGI会長のスピーチ】
 一、歴史には、逃してはならない「時」がある。
 世界には、開かねばならない「道」がある。
 きょう(12月5日)は、私が中国の周恩来総理と、忘れ得ぬ出会いを刻ん
だ日である。1974年のことであった。

■うれしそうに腕を揺さぶって
 一、「人を感動させるものは、誠心誠意である」(周恩来・?穎超(とうえい
ちょう)研究会訳)
 このご自身の言葉通り、周総理は、30歳も若い私を、重い病の身にもかか
わらず迎えてくださった。
 お会いした瞬間、総理は私の手を、強く強く握ってくださった。
 そして、私の目をじっと見つめ、言われたのである。
 「池田会長は、中日両国人民の友好関係の発展はどんなことをしても必要で
あるということを何度も提唱されています。そのことが、私には、とても嬉し
いのです」
 私は、1万数千人が集(つど)った学生部総会で、日中国交正常化を提言し
ていた(68年9月8日)。
 当時は、東西冷戦の時代であり、中国に対する国内世論は厳しかった。提言
に対しても、批判の声を数多く受けた。脅迫電話もあった。両国の友好を叫ぶ
ことは、命の危険さえ伴った。
 しかし、民衆のため、平和のため、断じて日中友好の歴史を開かねばならな
い――それが、私の信念であった。
 周総理との話は、友好の未来へ、人類の平和へと広がった。総理は、私の手
をがっちりと握り、ご自分の腕を大きく揺さぶった。喜びを込めた、総理の力
強い握手であった。
 笑みをたたえた総理の姿が、今も私の胸から離れない。

■コスイギン首相「ソ連は中国を攻めません」
 一、周総理と会見した3ヵ月前、私は、ソ連のコスイギン首相とも会見した。
 この時も、「なぜ宗教者が宗教否定の国へ行くのか」等と、ごうごうたる非
難を受けた。
 しかし、批判はもとより覚悟のうえであった。
 ただ、日ソの友好、そして、対立を深めていた中ソの緊張緩和(きんちょう
かんわ)を願って対話旅を決断した。
 コスイギン首相に、私は率直に質問した。
 「中国はソ連の出方を気にしています。ソ連は中国を攻めるつもりがあるの
ですか」
 不信を信頼に、恐怖を安心に――双方の国の心を少しでも変えたいとの一心で
あった。
 「ソ連は中国を攻撃するつもりも、孤立化させるつもりもありません」
 「それを中国の首脳に、そのまま伝えてよろしいですか」
 「結構です」
 対立を望まないソ連の意向を、私は中国首脳に伝えた。コスイギン首相とは、
翌年にも語り合った。
 民間人ではあるが、私なりに、中ソの橋渡しをしてきたつもりである。
 ゴルバチョフ大統領と初めてお会いした時も、開口一番、私は言った。
 「きょうは、大統領と"けんか"をしにきました。火花を散らしながら、何でも
率直に語り合いましょう。人類のため、日ソのために!」
 大統領は、にっこり笑い、「私も率直な対話が好きです」と応じてくださっ
た。
 この時、大統領は、翌年の春に訪日する意向を語られた。訪日は、ソ連の最
高首脳として初めてのことである。大変に重要な発言であった。
 国が違っても、イデオロギーが違っても、皆、「同じ人間」である。
 誠実に語り合えば、心は通じ合う。平和への意志を結集できる。
 相手がだれであれ、わが信念を堂々と語ることだ。「勇気の対話」こそが歴
史を変えるのである。
 一、周総理は言われている。
 「われわれは人民の世紀の開始に立っている。われわれのこの時代における
国際関係の時点は、人民外交の大々的展開である」(森下修一編訳)
 「人民外交」の未来を、周総理は、私たちとともに、大きく開いてくださっ
たのである。
 ともあれ、国も、団体も、人生も、「外交」が重要である。

■友情を結べ! それが広宣流布
 一、戸田先生は、よく言われた。
 「大事なのは、人間としての外交である。どんどん人と会って、友情を結ん
でいきなさい。すべて、勉強だ。また、それが広宣流布につながるのだ」
 「外交というものを自分の一生の地盤にすることだ。立派な人間としての大
外交をしていきなさい」
 「どんな人とも、真っ向から、わたりあえる人間になれ! 」

◆◆「妙法の人」に勝るものなし! 
◆「時」を逃すな 何も恐れるな
 外交は、誠実である。智慧である。忍耐である。勇気である。
 外交は、信念の戦いである。言うべきことは言い切っていかねばならない。
相手に打ち込むべきことは、打ち込んでいくことである。
 南米の解放者シモン・ボリバルの言葉にも、「真実を語り、善を勧める人だ
けが、本物かつ純粋な友情を示している」とある。
 フィリピンのラモス元大統領とも、私は、何度も対話を重ねた。
 外交の名手として名高い元大統領に、私は「外交にあたって、最も大切なこ
とは?」とうかがったことがある。
 答えは明快であった。
 「どんな国のトップであれ、みんな『人間』です。お互いが同じ『人間』同
士として接していくことが大切です。
 そして、ひとたび結んだ友情は、在任中だけでなく、ずっと続けていくべき
です」
 広宣流布は、平和と文化を広げる「外交戦」であり「渉外(しょうがい)戦」
である。
 心して自分を磨き、力をつけ、もう一歩深く、強い、拡大の波を起こしてい
っていただきたい。

■師弟に生き抜け 革命児ならば! 
 一、今、各国で青年部の活躍が目覚ましい。日本でも、青年が大きく成長し
てきている。
 青年の時代である。格好ではない。気取りでもない。革命児ならば、一心不
乱に、広宣流布のために戦い抜くことだ。
 私は若き日、戸田先生のもとで、新たな拡大の波を起こした。勝利の歴史を
築いた。
 先生が「大作、行きなさい」と手を打たれる。私は、即座に赴(おもむ)い
て戦いを起こした。東京で、神奈川で、北海道、山口、そして大阪で――すべて
の場所で、勝利の金字塔を打ち立てた。先生は、本当に喜んでくださった。
 他の幹部の多くは、ただ驚くだけだった。
 「師弟」があれば、無限の力が出る。凱歌(がいか)の歴史を築くことがで
きる。
 若きリーダーの皆さまは、このことを、深く胸に刻んでいただきたい。
 一、日蓮大聖人は仰せである。
 「月月・日日につよ(強)り給へ・すこしもたゆ(撓)む心あらば魔たより
をうべし」(御書119ページ)
 仏法の真髄、人生の真髄の御聖訓である。
 さらにまた大聖人は、同じ「聖人御難事」の中で、「ただ一えん(円)にお
もい切れ・よ(善)からんは不思議わる(悪)からんは一定とをもへ」(同ペ
ージ)とも仰せである。
 この御金言を深く拝していくならば、何も動ずることはない。何も恐れるも
のはない。
 ゆえに、きょうも、たゆみなく、大仏法をともに語り、ともに学びながら、
強くまた強く、広宣流布の一歩前進をしてまいりたい。
 一、本日は、遠く南米のブラジルとベネズエラからも、婦人部の友が出席し
てくださっている。
 はるばると、本当に、ようこそ、お越しくださった。
 ご存じのように、昨日(4日)、私は世界186カ国・地域の同志を代表し
て、南米のベネズエラ・ボリバル共和国より「ベネズエラ功労勲章勲一等」を
拝受した。
 これもすべて、世界の各国・各地域で、良き国民、良き市民として活躍する、
わがSGIの同志への信頼と賞讃の証である。
 御書には、「陰徳あれば陽報あり」(1178
・1180ページ)、「かく(隠)れての信あれば・あら(顕)はれての徳あ
るなり」(1527ページ)等々と示されている。
 この栄光と福徳は、皆さま方の子々孫々を燦然(さんぜん)と照らし、荘厳
していく。そのことを、晴れ晴れと確信していっていただきたい。

■「苦難」は「完成」へと導く手段
 一、ベネズエラは、歴史的に、幾多の大英雄を生み、育んできた天地として
名高い。
 ベネズエラ生まれの法律家であり、詩人であり、そして教育者であったアン
ドレス・べージョは、19世紀の「中南米最高峰の知性」と讃えられている。
 彼は、チリ大学の創立者でもあるる。
 さらにまた、模範の法典として名高い「チリの民法」を創案したのも、彼で
ある。
 かつて私は、チリ民主化の哲人指導者エイルウィン大統領から招へいをいた
だき、壮麗な大統領府で再会した。
 その折、執務室に、このべージョの肖像画が、深い尊敬の心を込めて掲げら
れていたことが、懐かしく思い起こされる。
 大統領と私の対談集でも、「文化」と「法律」の真の価値を創造してきたべ
ージョの功績について語り合った。
 〈SGI会長は1999年7月、ベネズエラから、この先哲の名前を冠した
アンドレス・べージョ最高位勲章」を受けている〉
 一、このべージョの有名な言葉に、こうある。
 「我々が遂行してきた闘争への報いとして、この世の中に希望の光が放たれ
るのであれば、我々は、幸運であると知るべきである」
 私たちの広宣流布の大闘争は、永遠にして不滅の「希望の光」を放ちゆく戦
いである。これ以上の幸福と福運はない。
 さらに、この大教育者べージョは、「人間にとって、『苦難』は『完成』に
導いてくれる手段である」とも言っている。
 苦難を乗り越えてこそ、偉大な発展があり、完成がある。
 仏法は「難来るを以て安楽と意得可(こころうべ)きなり」(御書750ペ
ージ)と教えている。
 ベネズエラ・ボリバル共和国が、国名にも、その名を冠している、南米の解
放者ボリバルは、悠然と語った。
 「人間は、偉大になれば逃れられないことがある。それは、妬みを持つ者か
ら必ず噛みつかれることである」
 「私の人生は、容赦のない憎悪の的である」
 法華経には、正法を弘める人が「悪口罵詈(あっくめり)」「猶多怨嫉(ゆ
たおんしつ)」の難を受けるのは必然であると説かれている。

■勇気と力と忍耐は不運さえ覆(くつがえ)す
 一、またボリバルは、「悪」の本質を鋭く喝破(かっぱ)した。
 「圧制者は、常に結託(けったく)する」
 「聖職者は、常に独裁制の友であり、それを支えとする」とも見破っていた。
 不撓不屈の闘士であった彼は、語っている。
 「未熟な兵士は、一回負けたら、すべてを失ったと思う。それは、勇気と力
と忍耐が、不運さえも覆すことを経験していないからだ」
 「彼ら(敵)が大きく見えるのは、我々が意気沮喪(そそう)しているから
だ」
 だからこそ、ボリバルは、「勇気をもって、悪を滅するのだ! 」と訴え、
「団結せよ! されば我らは無敵となる」と呼びかけたのである。
 広宣流布の戦いにあっても、「勇気」と、忍耐」と「団結」、そして「祈り」
が根幹である。
 さらにボリバルは、こうも述懐している。
 「この世のすべてを失っても、極限まで使命に生きた栄光が残る。その栄光
こそが、私の永遠の財産であり、幸福であろう」
 悔いなく戦い切ったという栄光の歴史を、一年一年、残しゆく人生は幸福で
ある。
 私はあらためて、この一年の全同志の見事な使命の奮闘に、心から感謝し、
これを讃えたい。

■子供は社会の礎(いしずえ)
 一、「悪意と中傷が、解放運動の成功を妨(さまた)げた」とは、ベネズエ
ラの独立の先駆者フランシスコ・デ・ミランダの慨嘆(がいたん)であった。
これは、歴史の通例である。
 しかし、彼は、それでもなお、「忍耐と正義の心で、崇高な事業のために働
こう! 」と、行動を止めなかったのである。
 ボリバルの師匠であった大哲学者、大教育者のシモン・ロドリゲスは、断言
した。
 「忘恩には、軽蔑で応えるべきである」
 恩知らずの裏切り者などに、断じて振り回されてはならない。
 厳然と見くだし、正義の人間の勝利の姿を見せつけていくことである。
 さらに、このロドリゲスは提唱した。
 「基礎から社会建設を始めよ! 」「屋根(大人)ではなく、礎である子ど
もたちから! 」
 いい言葉である。
 大事なのは、教育である。青少年である。
 私は創価学園創価大学の発展に、さらに力を入れていく決心である。
 そしてまた、使命深き未来部の育成に、真剣に取り組んでまいりたい。

■わが胸に永遠の幸福の大宮殿を
 一、大聖人は、はるばると真心の御供養を送り届けた、女性の弟子・日女御
前(にちにょごぜん)の信心を讃えて、こう仰せである。
 「このような尊い御本尊を供養申し上げなさる女性は、今世(こんぜ)では
幸福を招き寄せ、後生(ごしょう)には、この御本尊が左右前後に立ち添って、
あたかも闇夜に明るい照明を得たように、また険しい山道で強力(ごうりき=
荷を担ぎ、道案内してくれる人)を得たように・あちらへ回り、ここに寄り添
って、日女御前、あなたの周りを取り囲んで必ず守ってくださるでしょう。(同
1244ページ、通解)
 広宣流布のために尽くしゆかれる皆さま方は、現在も、そして未来も、永遠
に、必ず、厳然と守護される。
 これが、御本仏との絶対の御約束である。
 そして、そのために、大事な要諦(ようてい)として、大聖人が誠(いまし)
められた一点が、「悪知識を捨てて善友に親近(しんごん)せよ」(同ページ)
である。
 成仏を妨げ、広宣流布を阻(はば)む悪知識は、徹底して破折していくこと
である。
 そして、善き同志の和合の団結を最大に守り、強めていくことである。
 一、さらに続けて、大聖人は仰せである。
 「この御本尊は、まったく、よそに求めてはなりません。ただ、我ら衆生
法華経を受持し、南無妙法蓮華経と唱える胸中の(きょうちゅう)肉団(にく
だん)にいらっしゃるのです。これを『九識心王真如(くしきしんのうしんに
ょ)の都』というのです」(同ページ、通解)
 幾度も拝してきた、有名な御聖訓である。
 妙法を唱え、広布に走る皆さま方自身の生命こそが、最も尊極(そんごく)
な存在なのである。
 わが胸中にある、この仏の生命の都を、広々と、悠々と開き、輝きわたらせ
ていくことである。
 大聖人は、「此の御本尊も只(ただ)信心の二字にをさまれり」(同ページ)
と明快に結論されている。
 ゆえに、信心強き人こそ、最も強き生命の大王者である。
 その大宮殿の境涯には、だれ人もかなわない。何ものも、壊すことはできな
い。
 そして、大聖人は、わかりやすく、こう仰せである。
 「(中国の李広(りこう)将軍が放った)矢が石に立ったというのも、(石
を父親を殺した虎と思い)父親の仇と信じ抜いた一念の強さゆえである。まし
て、仏法においては、(信が大事なのは)なおさらのことである」(同124
5ページ、通解)
 勇気ある信心の一念が、どれほど無量無辺(むりょうむへん)の力を秘めて
いることか。
 この大確信をもって、前進していくことである。

◆◆◆「常楽我浄」の太陽と輝け
◆【御聖訓】「妙覚の山から四方を見れば 心楽しき寂光土が」
◆◆生死の苦悩を悠然と超えよ 「三世の幸福」は仏法しかない

 一、不幸な人を幸せにしていく――これが仏法である。妙法である。
 だからこそ、私たちは、あえて苦悩に沈む人々のいるところに、願って生ま
れてくるのである。
 一人の人を根本から救う。これほど、すごいことはない。偉大なことはない。
 そして、ともどもに「衆生所遊楽(しゅじょうしょゆうらく)」――最高に幸
福な人生を楽しんでいけるのである。
 大聖人は「松野殿御返事」で仰せである。
 「退転することなく修行して、最後臨終(りんじゅう)の時を待ってごらん
なさい。
 妙覚(みょうかく)の山に走り登って、四方をきっと見るならば、なんと素
晴らしいことであろうか、法界(ほうかい)は寂光土(じゃっこうど)で、瑠
璃(るり)をもって地面とし、金(こがね)の縄をもって八つの道の境界をつ
くり、天より四種の花が降ってきて、空に音楽が聞こえてくる。
 諸仏菩薩は常楽我浄(じょうらくがじょう)の風にそよめき、心から楽しん
でおられる。我らもその数の中に列なって、遊戯(ゆげ)し楽しむべきことは、
もう間近である」(同1386ページ通解)
 三世にわたる永遠の幸福を築く道は、仏法しかない。
 信心を貫き、広宣流布のために戦い抜いた人が、偉大な幸福境涯を開くこと
は、絶対に間違いないのである。
 そして、死という厳粛な事実に臨(のぞ)む時、その境涯は燦然(さんぜん)
と輝きを放つ。
 生死は不二(ふに)である。例えるなら、人間が昼間は起きていて、夜に寝
るようなものだ。
 偉大な人生を生きた人は、安らかな、夕日が燃え輝くような荘厳(そうごん)
な死を迎えることができるのである。

■キング博士は――
   「いばらない」「自分が矢面に」
 一、きょうは、私たちの友人であるローザ・パークスさんらが立ち上がり、
有名な「バス・ボイコット運動」を開始した日でもある(1955年12月5
日)。
 人権闘争の火ぶたが切られた、歴史的な日である。
 パークスさんは、回想されていた。
 「悪いことから、良いことが生まれるのです。
 私が逮捕されたことがきっかけとなり、モンゴメリー・バス・ボイコット運
動が開始され、現在、公民権運動のうねりがもたらされました。
 そして、その運動のおかげで、アメリカの思想が変わったのです」(高橋朋
子訳)
 この運動の指揮を執ったのが、若きキング博士である。
 この11月24日から、インドの国立ムンバイ大学で「ガンジー・キング・
イケダ展」が開催されている(6日に閉幕)。
 私は、94年1月、キング博士の盟友(めいゆう)である、ハーディング博
士ご夫妻とお会いした。
 この折、キング博士が体現(たいげん)していた「指導者としてのあり方」
について、語ってくださった。
 それは、「親切であった」「いばらなかった」「ユーモアがあった」「皆の
意見をよく聞いた」「勇気があった」「自分が矢面に立った」などである。
 すべての指導者が、心すべき点といってよい。
 ともあれ、「悪を無視することは、その共犯者になることなのである」(猿
谷要訳)とは、キング博士の渾身(こんしん)の叫びであった。
 悪とは差別である。人間性を踏みにじる偏見や無理解である。博士は、それ
らは執拗(しつよう)な抵抗を示すがゆえに、打ち破るには「不断の、不屈の
努力による以外にない」(中村妙子訳)と訴え続けた。
 これが、正義が勝ち続けるための、歴史の厳しい原則である。

■「あなたも平和の創出者(そうしゅつしゃ)になれる」
 一、現在、「平和の文化の母」ボールディング博士と、対話の連載を進めて
いる。
 博士は、学会の女性の草の根の運動に、最大の信頼を寄せておられる。
 「あなたも『ピースメーカー(平和の創出者)』になれるのです」――多くの
女性たちに対する博士のメッセージである。
 「平和の創出者」といえば、私は、民衆の大詩人ホイットマンの美しい追想
(ついそう)を思い出す。
 彼は、名著『民主主義の展望』の中で、自らの母から聞いた「平和の創出者」
を紹介している。
 80歳に近い、その女性は、農場で生活していた。
 とても明るい性格で、物事の道理をよくわきまえ、近隣を心から大切にし、
特に若い女性から慕われていた。
 彼女自身は、十分な教育を受けられなかった。しかし、人間として、素晴ら
しい威厳と魅力に輝いていたのである。
 近所で、家庭のいざこざや、面倒な問題が起こるたびに、地域の判事となり、
相談人となり、世話人となり、調停者とな
って献身した。
 彼女は、地域で「ピースメーカー(平和の創出者=仲裁者)」と呼ばれ、深
く信頼され、敬愛されていたのである。
 それぞれの使命の国土で、最高の地域友好、近隣友好に励んでおられる「ピ
ースメーカー」こそ、わが創価の婦人部、女子部の皆さま方である。
 国際宗教社会学会元会長のドブラーレ博士も最大に讃嘆(さんたん)してお
られた。
 「創価学会のメンバーは、隣人への深い尊敬を行動で表し、普遍的な慈悲で
ある菩薩の最高の徳を実践している」と。
 明年1月を中心に、全国津々浦々(つつうらうら)で、婦人部の皆さま方の
総会が、グループ単位で行われる。
 大成功を、妻とともにお祈りしたい。
 私が対談した、アメリカの女性の未来学者ヘンダーソン博士は語っておられ
た。
 「草の根の運動こそが、本来、すべてを動かしていく主役なのです」
 全世界の創価の女性のスクラムの、爽やかな勝利の前進を心より祈り、私の
スピーチとしたい。
 お体を大切に! 
 風邪をひかれませんように! 
 強き祈りで生命力をわきいだし、「健康第一」で、価値ある前進の日々であ
っていただきたい(大拍手)。