新・人間革命
中部は断固として勝った。 愛知は悠然として勝利をした。 長い長い間、卑劣な権力者たちに恫喝され、あらゆる陰謀のなか、策略に陥れられながら、厳然と正義のために戦い抜いて、中部は勝った。断じて勝った。 御聖訓には、「過去および現在の末法の法華経の…
「勝つ」と決めた一念ほど強いものはない。 フランスの哲人アランも、こう言っている。 「人間が道を切り拓いていくための原動力は自分自身の意志のなかにしか見つからない」(山崎庸一郎訳) ちょうど五十年前の、一九五一年(昭和二十六年)九月のことであ…
「ひじょうによい結果を得たければ、みんなが奮闘しなければなりません。みんなが奮闘してこそ、大成功をおさめることができるのです」(堀川哲男・近藤秀樹訳) かつて読んだ、この一節が、今もって私の心を捉えている。それは、中国民主革命の先駆者であり…
戸田先生は、よく言われた。 「いずこであれ、御本尊ましますところこそ、最高の聖地である。 広宣流布への信心があるところが、仏の国土なのだ。そこにこそ、大聖人の魂は、おわします」と。 大事なのは、「宗祖の精神を受け継ぐ」ことであり、「御書の通り…
「御書で学んできた『発迹顕本の地』に、ついに来ることができました。 日蓮大聖人の大闘争が、眼の前に浮かんでくるようです」 鎌倉の「竜の口」にある「SGI教学会館」を初訪問した、アフリカの同志の声である。 ヨーロッパの友も、アジア、オセアニア、北…
「師弟相違せばなに事も成べからず」(御書九〇〇?) 熱原法難のさなか、日興上人は、逐一、身延におられる日蓮大聖人に報告され、具体的な御指示や御指導をいただいた。 この大難に、大聖人と、「師弟一体」で立ち向かわれたのである。 ◇ 弘安元年(一二七…
それは、一九七九年(昭和五十四年)、二十世紀の″七つの鐘〃が鳴り終わる、その時であった。 盛大に祝賀されるべき五月の三日を、創価学会は法難の渦中で迎えた。 御聖訓に「無量無辺の僧等・集りて国主に讒言して流し失ふべし」(御書一三八九?)と説かれ…
彼は自転車に乗って、走りに走って、同志の家に向かった。その自転車は、もう古くて寿命が近づいているように見える。 しかし、彼は走った。 広宣流布のために走った。 友の激励のために走った。 同志の結束のために走った。 ある時は自転車が動かなくなって…
七十周年の「創立の日」を前に、師・戸田先生の「人間学」、また「生命学」の一端にっいて、引き続き、紹介させていただきたい。 ◇ 「性格」という命題にっいて、先生は言われた。「人間の性格というものは、直らない。川の流れる道筋が変わらないように、性…
戸田先生は、厳しく指導された。「人事と金銭は、絶対に正確にして、問題を起こしてはならない」と。 ともあれ、「組織を利用し、皆から顰蹙を買うような問題を起こす幹部は解任せよ」と叱咤なされた。 組織を利用し、自分中心主義で増上慢になり、純真な方々を騙し、攪…
/ 大難を超え 燦たる太陽の如く 「数知れぬ、悪意の波、また中傷の波があれども、断じて屈するな!」とは、戸田先生の強い指導であった。「広宣流布」は、順風満帆、思いのままにいくと考えたら、間違いである。あらゆる大偉業もまた、同じ方程式である。 …
二〇〇〇年五月三日は、晴天であった。 日本各地が晴天であった。 あちらこちらに見える緑の木々の香りがすばらしかった。 朝起きると、妻が真っ先に、「今日は晴天ですよ」と言った。私は嬉しかった。 妻が「日本中、世界中の学会の皆様が、晴天を祈ってく…
進め!波越え 希望の海へ 師弟の心は いかなる嵐にも不動 一九七九年(昭和五十四年)の五月三日、木曜日であった。 私は、会長の”辞任式”となった、創価大学の中央体育館での本部総会を終えて、まっすぐに、横浜の神奈川文化会館に走った。 そして、この訪…
場内から、身震いするようなうねりの音が聞こえてきた。 もう一度、また、もう一度と、吹き鳴らしゆく音楽隊の大演奏が、巨大な日大講堂を揺り動かしていった。 一九六〇年(昭和三十五年)の五月三日、第三代会長の就任式である。 皆が、未来を見つめ、高鳴…
私たちの「五月三日」がやって来た。 世界中の同志が胸を張り、歓喜に沸騰して迎えるこの日は、皆のいっさいの夢が成就し、千万の小さな太陽が勝ち誇ったように輝き渡る日である。 私たちは知っている。 仏法とは、永遠に「仏」と「魔」の闘争であることを!…
今年も、信濃町の学会本部前の「青年桜」が満開になる季節となった。 桜を思うころになると、四月二日が巡ってくる。 人間は、最も深く自身にかかわった、重要な人の死に直面し、その遺体を見つめた時、悲しみ、奮起し、無限の覚悟を決めるものだ。 四十二年…
私は、身動きもせず、未来を見つめていた。 しかし、わが人生の師たる戸田城聖先生の衰弱の姿を見て、過去からの憂愁と危惧が破裂したように、計り知れぬ激痛が私の心のなかに走った。 この輝かしい春の日に、なぜか私には、雲が低く降りてきて、心が沈み、…
三十二年前のあの日、私は、上野から特急「第一あさま」に乗り、信州に向かった。 島崎藤村ゆかりの小諸に降り立った私は、小諸会館、懐古園を訪問したあと、長野市の松代をめざして車を走らせた。 一九六七年(昭和四十二年)の六月二十三日のことである。 …
ギリシャの哲人プラトンの、有名な『ソクラテスの弁明』のなかに、師・ソクラテスの言葉が記されている。 「もしわたしが、罪を着せられるとすれば、(中略)多くの人たちの中傷と嫉妬が、そうするのです。まさにそれこそが、他にも多くのすぐれた善き人たち…
遠大なる人類の目的のために、仏法はある。 何ゆえか満たされぬ生命を、悔いなき、満足しきった完成に向かって昇華させゆくために、信仰はある。 それゆえに、私たちは、長く、あまりにも長く、広宣流布のために、戦わねばならない。 一歩も後退できない。 …
ロシアの文豪トルストイは言った。 「精神の成長を得よ。そして他の人々の精神の成長を助けよ。この中に、一切の生活が存在しているのだ」(八住利雄訳) 仏法の意義を、正しく証言している言葉である。 ともあれ、創価学会は、どこまでも広宣流布の団体であ…
山梨の「協調」と「前進」は、目覚ましい。 人間は、「目標」と「張り合い」と「信頼」が連動すると、巨大な力を発揮するのである。 山梨の広布の牙城は、生き生きとしている。今、固い岩盤を割って、新しき二十一世紀へ、みずみずしい潮流が流れ始めた感じ…
獅子となりて 我は一人征く
先日、ある著名な学者から、伝言をいただいた。 それは、私を励ましてくれる好意的な内容であった。 「これだけ壮大なる創価学会になったからには、苦労も苦難も多いでしょう。 日本を動かす原動力の一つになったことは、まことに偉大なことであります。 若…
夜は明けた! 今、信越の空にも、赫々と、感激の太陽が昇る。黄金の使命の門を通り抜けて、彼自身の軌道を正確に進む。 私も、わが人生の道を、今日も歩む。先頭に立って歩む! 偉大な目標に向かって、壮大な使命の方向へ! そこには、少しの悔恨もない! 君…
フランスの文豪ロマン・ロランは叫んだ。 「所詮 人生は戦いだ。一切の権利は勝者のものだ!」(宮本正清訳) 大阪城――。あの堂々と聳え立つ大阪城を仰ぐと、常勝の英姿を見る思いがする。 大阪の駅を降り、タクシーに乗って、関西本部に近づいてくると、た…
おお、君らが、新しき朝日を昇らせた! 君たちが、古き世をば、勇敢に、新しき世に変え抜いた! 君らの誇りは、光となりて、遠い果てまでも、わが国の誇りを高めた。 おお、新時代の扉を開きし勇者たちよ! 中国の夜明けの獅子たちよ! 明治維新の青年たちよ…
「第九」――。 それは、「苦悩を突き抜けて歓喜へ!」と叫んだ、楽聖ベートーベンの心の雷鳴である。 万人を兄弟として結び合う、気高き永久の賛歌であり、たくましき民衆の凱歌である。 十二月十二日、伝統の創価大学の「第九」の演奏会を、今年もまた鑑賞さ…